【あるカルデアの日常】あるマスターの日常【派生作品】

□5話　視点:橘 樹 ページ6

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　今日俺は、生まれて初めて英国紳士(ロリショタコン)と出会った。


　
　どうも、初めまして。俺の名前は橘 樹。


"魔剣使い"の家系に生まれたが、魔力量も魔術も一般的と、わりとどこにでもいる男子高校生だ。

ついこの前まで、市立の高校に通い、普通の学生生活を送っていた。


魔術師の家系でそんな自由あるのか、と一般的にはそういわれるだろうが、

うちは由緒正しいお家柄というわけでもない。


正しく言い直すと、どこかだかに仕えてた武士の家系らしく、

先祖の誰かが魔術師と交わって、今に至るらしい。




まあそんなことはどうでもいいわけだが。


「樹。忘れ物はないか？気を付けていっておいで」
「うん。兄貴も明日時計塔に戻るんだろ？兄貴こそ、忘れ物しないようにな！」


なんて別れたのは数時間前。

今、俺はある機関の前に立っているわけだが。


ここへ来たのは魔術師の家系の者としての役割を果たすため。

こんな俺でも、すべきことがあるとそう判断したからだ。



なにはともあれ、中へと案内されれば英霊召喚の儀というものを行い、サーヴァントと目が合う。


こういう魔術師っぽいことはしてこなかったこともあり、誰が自分の思いに応えてくれるのか、と
半ば胸を躍らす自分を殴ってやりたい。


と、対面した今思う。


このデカイ態度に、どこから来たのかわからん自信に満ち溢れた立ち姿。

金髪に、赤い瞳ときたら、、



あー、母さんが大好きなあの"ギルガメッシュ"で間違いないだろう。


こりゃ早めにいうこといっとかないと、後々面倒だな、と後の事を考えれば、

足元の聖遺物を拾うと凝視されているのがわかる。


聖遺物の力なんて本当は大して信じてなかったから、俺と所以がある魔剣使いのジークフリートや

武士繋がりのサーヴァントがくるかと思っていたが、これは予想外。


聖遺物ってまじなんだ、としみじみとしていれば淡泊な会話をしていたのか、

隣で声をあげるギルガメッシュと視線をあわせる。


「おい、クソガキ。この我(オレ)を全力スルーか？…まあ良い。その叙事詩、見た感じかなりの年代物とみえる。さては我のファンだな？」

「ああこれか？まあ確かに年代物だけど、このシミは昨日俺が家でこぼしたコーヒーのシミだぞ？あと、悪いが俺はエルキドゥのファンだ。今日も彼を召喚する気で来た」


出る杭は打っておく。

こういうタイプは最初に打っておくのが吉だろうな。

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