【あるカルデアの日常】あるマスターの日常【派生作品】 (ページ43)

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■42話　視点:ルイス・スタインフェルドページ43

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　食堂までの道程はあっというまであり、ドアを開いて。

「ルイス様？」
「リリーさん、申し訳ありません。どうやら部屋を間違えてしまったみたいです」

再度閉じた。

不思議そうな顔で俺を見上げるリリーさんの背に腕を添えて踵を返す。

「さてルイス、私の妹をどこに連れていこうというのかね？」

だがしかし、開くドアの音と聞こえてきたハスキーボイスに先程見たときは可愛い麟湖さんといけてる樹くんに詰めよっていたというのに、なんて洞察力。

というよりも、サーヴァント達の異様な雰囲気に回避すべきだと思っての行動だったのだが彼女の目にはそう見えなかったらしい。

振り返った俺をシャーロットさんは怪訝そうに俺を見てくるので緩く首を振って無実を証明する。

「どこもありませんよシャーロットさん。食堂内の異様な空気にリリーさんをお連れするわけにはと思っただけです」
「……まぁ、それで今は納得してやろう」

事実なんだけどな。

シャーロットさんは俺とリリーさんを食堂に招き入れると、また樹くんと麟湖さんを構い始めた。

その後ろには魔術師マーリンがあの不思議なペットに何かされていた。

食堂内は混沌、ではないが口許を押さえて顔色を服同様青くさせたキャスターがMs.桜花に介抱されていたり、Mr.エミヤがサンドイッチを見て眉間に寄せて首を横に振ったり、ギルガメッシュ王がアルトリアにサンドイッチを薦めていたり、としていて、なんだこれとなる。

「！マスター！」

思わず樹くんと麟湖さんを可愛がるシャーロットさんを凝視していればアルトリアの声の切実な声が聞こえた。

そちらを見ると、ギルガメッシュ王から逃れてきたのか俺の元へ少し安堵した表情でアルトリアがやってきた。

「遅かったので心配していたのですよ」
「それはすまない」

そして何故かリリーさんがアルトリアを見て顔色を青くさせていたのだけど、どうかしたのだろうか。

「あぁ、リリーさん。彼女はアルトリア・ペンドラゴン。私と契約してくれた英霊だ」
「あ、英霊…なのですね、よかった…」
「？」

酷く安心したような笑みを浮かべたリリーさんに、どうかしたのかと聞くが顔を赤くしてなんでもないと仰るのでリリーがそう言うならそうなのだろう。

「アルトリア、こちらはリリーさん。私の婚約者(フィアンセ)だ」
「はぁあ！？」

突然聞こえてきた樹くんの声にそちらを見ると、愕然とした表情の樹くんが俺を見ていた。