13話 ページ14
視点:橘 樹
だけど、気になる。
あの一眼、どうみたって本物の一眼だ。写真も撮れてるし。
そう、人はいつだって探求心からは逃れられないのだ。
一体どんな仕組みなのかと穴があくほど、見つめていれば、どうしたのか、と声をかけられる。
聞かずにはいられない。知りたい。
「それって…」
と、言葉を紡いだときには察してくれたらしく、これは"投影魔術"なのだと教えてくれる。
俺にはわからない魔術だけど、ただ1つわかることがある。
それはきっと、彼がこの魔術を探求したのだということだ。
じゃなきゃこんなに本物そっくりなはずない。
なんてすっかりと見惚れてしまっていれば、日本出身だったか、と問われ頷けば、
次々と投影されていくものを目にし、わくわくしないはずがない。
大好きな漫画のキャラクターから、本物さながらの流行りのタピオカドリンク。
得意どころじゃない、すごい、本当にすごい…!
すっかりと彼の魔術に心を奪われていれば、ギルとルイスさんが交わす会話が耳に入ってくる。
どうやら、ルイスさんがお願いをしているようだが、渋っているようだった。
「
「駄目でしょうか?少しの余興にお付き合いいただけたらと思ったのですが…」
「我が宝物をそのようなことに」
自称"王の中の王"のくせになにしぶってるんだ、この金ピカ。
「いいじゃん、ギル。出してくれよ!」
「何故、この
「理由ならあるだろ?俺はクソガキらしいからな。クソガキが我儘を吐くのは世の常ってやつだろ?」
と先ほどの"幼げに見えるぞ発言"を逆手にとり、してやったりと笑ってみせれば、
舌打ちをするギル。
「ちっ…樹、貴様、食えない奴だと言われるだろ」
「さあ、その辺はギルの想像に任せるよ。んで、どうすんだ?」
と、横目に視線をむけ、にっと笑いかければ、ぐぬぬ、となる金ピカ。
ルイスさんに向き直り、なにやら憎まれ口を放っているようであったが、
不意に俺の耳に届いたのは「精々俺を興じさせてみせよ、雑種」という言葉であった。
俺は、自分が思っているより
それは、こいつがこんな態度でも、しっかりと人間という存在を大切に思ってくれているコト。
それを痛いほど、感じているからだ。
ったく、もっと素直になれよな。
だけど、
「サンキューギル!」
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新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 見に行ってみます (2019年10月9日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» uranai.nosv.org/u.php/hp/hyuuga075 御姉妹のイメージとしてはこちらとなります。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 1e7455f34a (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 無理なら、次女の容姿はどんなのか聞きたいです。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» お気遣いありがとうございます。いえいえ、そこまでしていただかなくてもよろしいですよ。なんとか自分で無から有を産み出せるように努力してみますので。ご提案ありがとうございました。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 1e7455f34a (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» それなら、自分が書きましょうか?次女の容姿がわかれば書けますよ。 (2019年10月9日 15時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年9月24日 22時