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タイトルも分からない曲を歌っている彼女を見つけてもうすぐ５分が経つ頃。
聴き入ってた声がフッと途切れてハッとする。
「 …えっ、」
『 ……あ 』
ついさっきまであそこにいた彼女は今、目の前にいる。
岩場に隠れてた俺は、彼女が移動してることすら気づかなかった。
「 …えっと…… 」
『 あ、すいません…盗み聴き……してました 』
「 ……はっ！？ 」
『 ごめんなさいっ！ 』
咄嗟にここにいた言い訳なんて、思いつかなかった。
何も考えられずにいた。
あの声が、今もまだ頭に残ってる。
「 …ふははっ、おかしな人ですね笑 」
『 えっ？ 』
「 男の人って、こういう時嘘つくじゃないですか、普通。 」
そう言った彼女の瞼は、少し濡れていた。
手を堅く結んで、何かに耐えるように笑う。
その顔を見た瞬間、いてもたってもいられなくて、咄嗟にポッケに手を突っ込む。
着ていたジャージの右ポッケに入ってたレシート、それと亜嵐くんから預かってたボールペン。
丸まってたレシートを広げて、ボールペンを走らせる。
『 はい、これ。 』
「 えっ、えっと、？ 」
『 俺、片寄涼太。君は？ 』
「 …藍田、Aです。 」
『 Aちゃん。 』
「 ……はい、」
『 じゃあごめん、俺行くね、あ、ナンパだと思っていいから、嫌だったら完全無視してね笑 』
堅く結ばれてると思ってた手は、思ってたより簡単に解けて
力の代わりに握らせたのは、俺の連絡先。
ここで渡さないと、もう無理だと思った。
Aちゃんの中でただのナンパだと思われてもいい。
思われてもいいから、せめて俺の存在を認識して欲しかった。
あの声で、名前を呼んでもらいたかった。
誰にもどうすることも出来ない、一目惚れ。
頭の中には今もまだ、彼女の歌声が響いてる。
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くまのぷーさん - あ〜もう、本当に良かったです！やっぱりなーちゃむさんにリクエストして本当に良かったです！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2016年4月29日 20時) (
レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
くまのぷーさん - なーちゃむさん» あ、今気がつきました笑 本当に嬉しいです！私のリクエストが長編にして下さって……………。光栄です！こちらこそありがとうございます！続き、楽しみにしてますね♪ (2016年4月15日 20時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃむ(プロフ) - くまのぷーさんさん» いつもありがとうございます（；_；） このお話の案、短編の時にリクエストしてくださったのを元にしてます、あっちでもお伝えしたのですがここでも一応、笑 これからもよろしくお願いします(>_<) (2016年4月15日 13時) (レス) id: 3a9aed4a40 (このIDを非表示/違反報告)
くまのぷーさん - 涼太くん、うまく言えないですけどいいですね！ナンパされたいです笑 続き、楽しみです！頑張って下さい(^ ^) (2016年4月14日 23時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーちゃむ
| 作成日時：2016年4月14日 0時
