Valentine.

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去年はなんとなくはぐらかしちゃって。



誰のよりも少し豪華なチョコは、いつもお世話になってるからってことにした。



今年そんなことしちゃったら、絶対に後悔する。









『 A〜ごめん、味噌切れちゃったからちょっと買いに行ってくるね 』



「 ん、私行こうか？ 」



『 いいよ〜。愛を込めてしっかり作りなさい♡ 』



「 …はい笑 」









リビングで１人、卵を溶いてるとスマホが震える。









「 もしもーし 」



『 A〜？ チョコ作りなう？ 』



「 絶賛なうですね。なんかあった？ 」



『 いや、緊張してグズってないかな〜って思って？♡ 』



「 …内心ドキドキ半端ない。 」



『 だーいじょうぶだって！』



「 …乃々華さ、心配してくれてるの？ 」



『 してるしてるっ！ 』



「 雑だなぁ…笑 」



『 愛ゆえにってやつ？ 』



「 よく言うよ笑 」



『 あ、ごめん。おにいに呼ばれた。じゃあ明日ね！ 』



「 え、あ、うん？ばいばい笑 」








通話時間、１分２０秒。




…なんだったの。笑




乃々華は前からそういうところがある。


いきなり電話してきてすぐ切ったり、意味分かんないLINE送ってきたり、いきなり驚かしてきたり…唐突なことが多すぎる、困ったちゃん。




…思ってみれば、乃々華がそんな事する時はいつも私に何かある時かもしれない。


先輩と喧嘩した時とか、去年のバレンタインの日もこんなことがあった。








「 …持つべきものは友達だなぁ 」






[ 乃々華〜ありがと！ ]




通話時間が表示されてる吹き出しの下に新しい吹き出し。



乃々華には気持ち多めにパイ包も。






明日ちゃんと渡せるかな。









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