Valentine.

. ページ4

.









先輩が帰ってから、ふぅっと一息。




…お姫様だっこ、初めてされた。


今さらになってすごいドキドキしてきた。









「 先輩の匂いする。」









ベッドに座ったままギューっと自分を抱きしめるように小さくなると先輩がいつもつけてる香水の香りが私を包む。




甘いのに、爽やかですっきりした香り。




先輩にそっくりなこの香りは、私をひどく安心させる。









「 …チョコ作らなきゃ 」









時計を見ればもう夕方５時。





もうママキッチン使っちゃうかな。ゆっくりしすぎちゃった。









「 ママ〜？ 」








リビングに降りてキッチンを覗くと丁度エプロンをつけてこっちに振り向くママ。








『 さっきの亜嵐くんどうしたの？笑 』



「 え？あぁ、なんだろう、勘違い？笑 」



『 勘違い？ 』



「 うん。あ、もうご飯作り始めちゃうよね、テーブル使って平気？ 」



『 大丈夫よ〜 喜んでくれるといいね？ 』



「 去年は美味しそうに食べてくれたけどね笑 」



『 美味しく食べてくれるだけじゃ意味ないもんね〜？ 今年は言うんでしょ？ 』



「 うん 」



『 いいなぁ〜ママもキュンキュンしたーい！ 』









材料をテーブルに持ってって準備をする。


ジャガイモの皮剥きながらママもパパに作っちゃおっかな〜なんて、現役女子高生の私より現役テンション…笑









『 何作るの？ 』



「 カップケーキ！ 友達にはチョコパイ〜 」



『 やだも〜！かわいー♡ 』



「 なにが！笑」

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す