Snow White

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目が覚めると、ベッドの感触に違和感を感じる。

閉じていた目を開けて、目の前に映る久しぶりに見るカーテンの柄。


状況を飲み込もうと醒めない思考回路を必死に回してると、後ろに流した髪を弄られた気がした。

後ろに振り向くと、寝起きのせいか、少し幼い雰囲気の龍友が、バチッと目を合わせてくる。





龍『 おはよ 』


「 …龍友、？ 」


龍『 覚えてる？昨日のこと 』





嫌な予感がして、咄嗟に布団の中を見ても、ふたりともちゃんと服を着てる。 しっかり防寒。

…えっと、昨日…涼太くんとご飯食べて、それから……




龍『 酔っ払い相手に発 情はしねぇよ 』


「 …あ、」





そうだ、昨日私飲みすぎちゃって…

…涼太くんに全部話して、もうこんなことやめるって…言うつもりだったのに……結局言えてない…





龍『 あんな酔ったお前久しぶりに見た 』


「 …帰る 」


龍『 なんで 』


「 嫌よ、こんな家にいたくない 」


龍『 俺ん家だけど 』


「 だから居たくないの、分かるでしょ 」


龍『 俺とサキの家だから居たくないの？ 俺のこと好きだから 』


「 …ふざけないで 」


龍『 お前は、俺だけ見てればいいのに 』


「 ……貴方は、私を見てくれないじゃない 」





真っ白な世界に貴方と私だけ、そんな世界なら私は貴方だけを見て、貴方は私だけを見てくれる。


そんな叶うはずのない夢ばかり見て、苦しい思いばかりして、もうやめてやるって思っても

そう思う度に貴方が鮮明に笑いかけてくるの。


貴方のこと嫌いになろうとする度に、涙が溢れて止まらないの。




こんなにも愛してるのに、どうして私の想いは報われないのですか。



龍友のじゃない、誰かの香りが離れなくて

心臓を握られてるみたいに、苦しくて

今すぐにここを離れたかった。









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