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リビングに戻って聞こえる、口ずさんでる龍友の声で気が付いた。
やばい、消すの忘れてた。
龍『 あー、なんで消すのー 』
「 や、別に 」
龍『 普段GENE聴かんくせに珍しーね 』
「 明日の撮影の事考えてたから 」
龍『 仕事熱心か 』
「 龍友だってそうじゃない 」
龍『 好きなことならなんでも出来るよな 笑 』
好きなことなら… 、なんでも、
「 恋、とかも? 」
龍『 は? 』
「 サキさんの為なら何でも出来る? 」
龍『 …なに? 』
「 別に。」
___ 〜♪ 〜♪
龍『 いいよ、出れば? 』
話を遮って流れた着信音に画面を見ると、そこには無機質に片寄涼太と書いてあった。
画面を覗き見した龍友は、不機嫌に眉をひそめて許可を下す。
…なによ、貴方は私の前でもお構い無しにサキさんと電話するくせに。
「 もしもし? 」
涼[ もしもし、今1人? ]
「 うん、1人だよ 」
龍友の前でわざと1人を強調すると、ひとつ舌打ちをして、なんにも気にしてないような顔で自分もスマホを弄る。
……ムカつく。
ほんとは出たくなかった。
1人だったら多分出てない。
さっきの事があって、めちゃめちゃ意識してるし、涼太くんと喋る気分じゃないし。
“使われてあげる”
電話を取る前、頭の中に響いた涼太くんの声。
涼[ 良かったぁ ]
「 どうしたの? 」
涼[ んーん、声聞きたくなったから ]
「 なにそれ、笑 」
涼[ …やっぱ、1人じゃないでしょ ]
「 え? 」
涼[ 舌打ち、聞こえたよ。龍友くん? ]
「 …あぁ、うん、そう 」
涼[ ふーん、あ、俺さ焼肉好きなんやけど、Aさんも好き? ]
「 どうしたのいきなり…笑
うん、私も好きよ、笑 」
しびれを切らしたのか、スクっと立ち上がって、寝室に向かうと、バンっと大きめの音を立てて扉を締める龍友。
涼[ …こんなんで嫉妬しちゃうんだ 笑 ]
「 ……え、」
涼[ 言ったでしょ? 協力する、って ]
「 うん、」
涼[ あっ、ごめん電話だ、切るね? ]
「 …うん 」
涼[ 焼肉、一緒に行こうね! おやすみなさーい ]
「 おやすみ 」
通話時間 2分弱 。
その吹き出しを見て、涼太くんの言ったことが本気なんだと理解した。
彼の提案したことは、
すごくギリギリで
すごく滅茶苦茶で
すごく不安定で
すごく、残酷なことだった。
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菜緒子(プロフ) - いきなりスミマセンf^^*) Snow Whiteホントに大好きです!!!何回も何回も読み返してます!!また龍友メインのお話を書いてくれませんか?たのしみにしてます!! (2017年6月14日 1時) (レス) id: 903269e808 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - はじめまして(*^^*)このお話大好きです!!私、龍友ファンなので龍友メインのお話でテンションアガってます(≧∇≦)これからも更新頑張ってくださいo(`ω´ )o楽しみにしてます♪( ´▽`) (2016年11月23日 14時) (レス) id: 10446014c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーちゃむ | 作成日時:2016年11月21日 19時