◇107◇ ページ9
ノートの表紙には“Diary”と書かれていた
「…！」
10年後の自分の日記…！？
見てはいけない気がする…けど、好奇心が抑えられない
ほんの少しだけなら……
ぱらぱらと頁をめくって見ると、日付が飛び飛びだった
どうやら毎日続けているものではなく、書き留めたい時にだけ書いているようだ
獄寺「Aさん、何か落ちましたよ」
「？」
この日記に挟んであったらしい2つ折りの紙を手渡され、何だろう、と開いてみる
「っ！これ…！」
獄寺「どうしました？」
「“私へ”って書いてある…」
ドキドキ早くなる鼓動を落ち着かせるように、書いてある文字をゆっくりと追った
“私へ
自分の気持ちには、もう気づけましたか？
私は彼を信じることにしました。
きっとこの未来を変えてくれる。そして変わった先でも私たちは一緒に居て、また笑い合えると。
どうか、あなたも信じて。決して手を離さないでほしい。”
「……っ」
この手紙は“今ここに居る私”宛なのかとか、だとしたら過去の自分が来ることを知っていたのかとか…疑問は次々に出てくる
でもそんなことよりも、この手紙から伝わる悲痛な思いで胸がいっぱいになってしまった
自分が書いた手紙なのに、おかしいけれど
獄寺「この時代のAさんから、過去から来たAさんへの手紙…ってことすか？」
「そう…なのかな。分かんないや」
獄寺「……」
“彼”はきっとツナくんのことだって…確証は無いけど、確信した
この未来の世界で私はツナくんと一緒に居たんだ
そのことに少し嬉しさを感じている最低な自分から…目を背けたくなる
だめだよ、ツナくんは“私の好きな人”じゃなくて、“ハルちゃんの好きな人”なんだから
私はツナくんと一緒に居る未来を望むことはできない
獄寺「Aさん…大丈夫ですか」
「…え？」
獄寺「…泣きそうに、見えるので」
「あ…ごめん、大丈夫だよ」
へらりと笑って見せたけど、隼人は眉間に皺を寄せたままだ
…どうしよう、怒らせちゃったかな
隼人のこと、もう「怖い」って思わなくなったけど、怒らせるのはちょっと怖いかも
「そろそろ待ち合わせ場所に戻ろっか」
獄寺「え、まだ…もう少しなら大丈夫っすよ」
「ううん、もういいの。付き合ってくれてほんとにありがとね」
未来の私、ごめんね
“手を離さない”以前に、繋ぐことも…手を伸ばすことすら、できない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイシー(プロフ) - 今まで白ツナや黒ツナ等だったので、ハイパーって新しい！と思ったのと同時にハイパーツナ君に惚れてしまいましたｗハイパーでもツナはツナのままのところとかがすごく可愛らしいし、戦闘シーンはかっこいいです！これからも頑張ってくださいっ!!! (2015年6月22日 7時) (
レス) id: dfd3b15349 (このIDを非表示/違反報告)
あやにゃん(プロフ) - 夏みかんさん、初めまして！ハイパーカレシ、ツナのちょっと不器用な感じと、夢主ちゃんのツナへの思いがもうたまらないです！ご自分のスピードでよろしいので、更新頑張ってください！応援させていただきます！ (2015年6月9日 2時) (レス) id: 75663eea7a (このIDを非表示/違反報告)
ユズ(プロフ) - 突然失礼します。とってもいい小説なのでコメントさせていただきました。ツナさんと夢主の今後が気になりますが、雲雀さんと夢主の関係も気になります!!いったいどんな関係なのですか!?(これは聞いちゃダメか(笑)とっても気になります。頑張って下さい,応援しています。 (2015年5月25日 19時) (レス) id: be793533bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏みかん | 作成日時：2015年5月21日 16時
