最期の思い出ー1 ページ8
舘宮邸 蓮仁の部屋
mm 「真伊子、今日は皆に迄チョコレー糖を有難う。
皆、喜んで居たよ。」
ru「…いいえ…何時も実の家族の様に温かく接して頂いて居るのですもの…足りない位ですわ…
…処で殿下、肝心のお味の方は如何で御座いましたか？」
mm 「勿論美味しかったよ。」
ru「うふふ…良かった…
…改めまして、殿下…お願いが御座います…」
mm 「ん？如何したのだ？」
ru「明後日の納采の儀が済みましたら、わたくしは御進講に参ります。…其の…御進講がお休みの日で、殿下もお忙しく無い日が御座いましたら…わたくしにお付き合い頂けませんでしょうか…」
mm 「勿論、喜んで。…普段からそうして居るでは無いか。」
ru「…其れは…其うですが……思い切ってお誘いしましたのに、何やら肩透かしに遭って仕舞った気分ですわ…」
mm 「ふはっ…済まない…其うだったな。」
ru「殿下…突然で不躾ですが…殿下の御衣装部屋へお連れ頂いても宜しいでしょうか？」
mm 「…別に構わないが…真伊子は一体、私に何をさせるつもりなのだ？」
ru「わたくしにお付き合い下さる迄の秘密で御座います。」
mm 「真伊子、この私に秘密にすると言うのか？」
ru「うふふ…はい、秘密で御座います。」
舘宮邸 蓮仁の衣装部屋
mm 「真伊子、此処が私の衣装部屋だ。…目当ての物が見つかったら、遠慮無く私の衣装係の者に伝えてくれ。」
ru「はい、有難う御座います。」
真伊子は嬉しそうに笑った。
其の後も真伊子は楽しそうに衣装係と話し乍ら、私の衣装を手にして居た。
私は本を手にし乍ら、終始笑顔の真伊子を見、近い将来を想像して居た。
誰からも好かれる真伊子は、舘宮家に数多仕える使用人からも絶大な支持を受けており、皆が真伊子の舘宮家への降嫁を楽しみにして居た。
子を儲けても、乳母には頼らず自身で世話をしたいと思うであろう…
しかし、偶には子を乳母に預け、私の支度を手伝って欲しい…
そんな微笑ましい光景を想像して居ると、
ru「殿下、お待たせして仕舞い申し訳御座いませんでした
……御支度は整いました。」
mm 「…あっ、そうか…」
ru「殿下、次回わたくしにお付き合い下さる時に此方の衣装箱をお持ち頂きます様、お願い致します。」
mm 「…おぉ、此れ程有るのか…」
ru「…わたくしの最期のお願いで御座います…」
mm 「何を申すか！真伊子の願いは此れから先、ずっと、何時でも、何でも聞いてやる！」
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琥太郎(プロフ) - 瑠羽さん» 遅くなってしまいましたが、感想送って頂きありがとうございます。初めて感想頂けて嬉しく思います。大正時代をイメージしている為、漢字が多く読み辛いかと思いますが、最後までお付き合い下さい。宜しくお願いします。 (2022年6月3日 22時) (
レス) id: 33658090bc (このIDを非表示/違反報告)
瑠羽 - 百年の恋、楽しく読んでおります！古典的な物語はあまりお目にかからないので嬉しく一つ一つ噛み締めながら読んでおります♪長編は大変かと思いますが執筆頑張ってください！！応援しております♪ (2022年5月19日 10時) (レス) id: a4808147f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥太 | 作成日時：2022年5月1日 11時
