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皇居 御所
御所では夕食時に天皇、皇后、皇太子が席に着き、食事が運ばれて来る間に執事より翌日の予定を伝えられて居た。
yg「如何したのだ？随分と機嫌が良いでは無いか？」
執事「…はっ、失礼致しました…
…実は…先程宮内庁へ明後日の舘宮家の納采の儀の御席表を届けに参ったのですが…舘宮家から頂戴したチョコレー糖を職員で頂いて居たのです。」
kym「まぁ、羨ましいですこと…」
執事「然も、其のチョコレー糖は何と真伊子様のお手製で御座いました。」
hk「何！？真伊子殿が作ったのか？」
執事「左様で御座います。…何でも本日がバレンタインデーと言う感謝の意を伝える日とかで、舘宮家の皆様だけで無く、宮家に御仕えして居る使用人全員分のチョコレー糖をお作りになり、御持参されたそうで御座います。」
yg「流石は岩本家の令嬢…隅々迄心配りの出来る才媛よ。」
kym「本当ですわね。真伊子さんはお美しいだけでは有りませんわ。とてもお優しい女人ですわよ。」
執事「実は、真伊子様がお作りになったチョコレー糖、此方にもお持ち致しました。」
hk「何！？」
執事「食後に御用意して御座います。一粒ずつでは御座いますが、お召し上がり下さい。」
yg「おぉ、出来した！」
kym「まぁ、嬉しいですこと。」
hk「…おぉ…誠か！？」
余程真伊子の作ったチョコレー糖が楽しみだったのか、何時もはゆったりとした食事も、今日ばかりは急か急かと浮き足立って居た。
デミタスコーヒーと供に真伊子お手製のチョコレー糖が美しい小皿に乗せられテーブルに置かれた。
恭しく置かれた其のチョコレー糖は、美しい球体をして居た。
天皇の前に有るチョコレー糖には金箔が付いて居た。
皇后の前に有るチョコレー糖には砕いた落花生が入って居た。
皇太子の前に有るチョコレー糖にはココアの粉が塗してあった。
どのチョコレー糖も凝った作りで、真伊子の細部に渡る気配りが見て取れる
yg「…ほぅ…此れは美しい…」
kym「一つ一つ凝ってますわ…」
hk「食べるのが勿体無い程だ…」
材料も高価で手に入り辛い品物ばかりだ…
特にココアの粉は昨年辺りからやっと日本でも発売されたばかり。上流階級の人間で無ければ口に出来ない代物だった。
自身の納采の儀を明後日に控えて居るのにも拘らず、忙しい中、時間の合間を縫って心を込めて作ったのであろう…
天皇家の三人は、互いに口に出さずとも、改めて真伊子の人と為りに魅了されたのであった。
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琥太郎(プロフ) - 瑠羽さん» 遅くなってしまいましたが、感想送って頂きありがとうございます。初めて感想頂けて嬉しく思います。大正時代をイメージしている為、漢字が多く読み辛いかと思いますが、最後までお付き合い下さい。宜しくお願いします。 (2022年6月3日 22時) (
レス) id: 33658090bc (このIDを非表示/違反報告)
瑠羽 - 百年の恋、楽しく読んでおります！古典的な物語はあまりお目にかからないので嬉しく一つ一つ噛み締めながら読んでおります♪長編は大変かと思いますが執筆頑張ってください！！応援しております♪ (2022年5月19日 10時) (レス) id: a4808147f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥太 | 作成日時：2022年5月1日 11時
