9 ページ12
和
雅「いやぁ、助かった!マジ感謝。」
今はあっけらかんとしているが結構ぎりぎりだったのだ。
なかなか帰ってこない雅紀に何かあったのかなと思い始めた時、今までソファーでぐうすか寝ていたおじさんが突然起きて「嫌な予感がする。」と言い出した。
普通の人なら気のせいだと笑い飛ばすところだが、このおじさんに限ってはよく当たる。また何か面倒な霊に入り込まれてるんだろうとあたりをつけ、潤君と共に雅紀を探しに行く。
案の定、通学路の隅で蹲っている雅紀を発見する。何度も呼びかけるが反応がない。
ようやくこっちを向いたと思ったら、私たちのことが分かってないみたいな様子。
幸い性別が存在するタイプだったみたいで潤君に目をハートマークにして飛びついてきたおかげで雅紀は解放された。
正直もう少し発見が遅れてたら力尽くでやらなきゃいけなくなってただろう。そうなると雅紀にもダメージがあるからなるべく避けたいのだ。
翔「本当に良かったよ…。双子は勿論だけど、智君の野生の勘にも感謝しないとな。」
雅「和ぅ〜潤〜、そしてさとちゃ〜ん!ありがと〜!!」
まぁ、元気そうで何よりですけどね。
和「まったく、気を付けてくださいよ。楽しいこと考えろって言ってるでしょ、貴方憑かれやすいんだから。」
雅「ごめぇん。」
すると翔さんとおじさんが途端に心配そうな顔をする。
智「なんか悩みでもあるんか?」
雅紀はしまったという顔をして目を泳がせながら答えた。
雅「いや、ちょっとぉ…あの…授業で全く違う答えを言っちゃって…。」
ぴくっと翔さんの眉毛が動き心配そうな顔からニッコリと擬音が付きそうな顔へと変わる。帝王と呼びたくなるようなオーラが見えるような気がする。…あぁ、雅紀死んだな。
翔「まーさーきー?復習はちゃぁんとやれって言ってるよな?…お前、今日はお兄ちゃんとワクワクお勉強会コースな。」
雅「ヒィン!そんなぁ!」
見たいテレビがとかぐずぐず言ってたけど帝王を前に勝てるわけがない。がっくりと肩を落としてうなだれていた。
翔さんはいつも明るくて最高のお兄ちゃんだったから、この時何を考えていたかなんて気にしもしなかった。
後に私たちは、翔さんのことを何も分かっていなかったのだと痛感することになる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とうこ(プロフ) - いつも楽しく拝読させて頂いています！4か、5か…の間？のような感じで、4人でSさんの力を小さくし、小鬼？くらいの能力に抑えながら、永く同じ時間を過ごしていく…みたいな感じもどうかな？と思いました。どんな結末になるか楽しみにしています！ (2021年12月19日 19時) (
レス) @page49 id: d6b414cbbc (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。いつもひっそり楽しく読ませていただいております！わたしは5を希望します。先に寿命を迎える事は悲しい事ですが翔くんの心が4人によって浄化されたらいいなと思います。そしていつかまた何らかのカタチで再会できたら幸せですね。 (2021年12月18日 20時) (レス) @page49 id: 9d25e37658 (このIDを非表示/違反報告)
まさきっち - 私は4を希望します (2021年12月16日 12時) (レス) @page49 id: 61f762c73c (このIDを非表示/違反報告)
翠奈 - ４です。でも、いつかまたあおうねってかんじでおわかれがいいです。できれば、１年後とかに４人の能カも消えて、翔くんもふつうになって５人でくらすっていうかんじがいいです。色々すみません！！ (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 87c0cb4545 (このIDを非表示/違反報告)
夏音(プロフ) - 4 なのですが、数十年後に4人の前に生まれ変わった幼い翔くんと出逢い5人で暮らすとか。ほんのりアンハッピーじゃなくなるといいなぁ。 (2021年12月15日 18時) (レス) @page49 id: 4a8a281850 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：陽方向 | 作成日時：2021年11月1日 11時
