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12話 ページ12

貴女side


「それじゃあ、もう一回、ちゃんと自己紹介するね。
僕は相川真冬。仕事は音楽関係をやっていて、基本的には家にいるよ。
Aちゃんは中学生2年生だよね?」

コクン、と首を縦に振る。


緊張で話せないことを悟ってか、頷いて答えられるような質問をしてくれている。


「それで、Aちゃんに守って欲しいルールがあるの。」

ルール?

「変なことじゃないからね。体調が悪かったら言う。みたいな感じだから。」


もう一度頷くと、話を続けた。


「まず1つ目、ご飯は1日3食たべること。お腹すいてなくても、一口は食べて欲しいな。

2つ目、出掛けるときは連絡すること。急に家から出ていかないでね。どこに、誰と行くか。あんまり1人では出掛けないでね。不安になっちゃうから。

3つ目、体調が悪くなったらすぐに言うこと。黙ってても分からないし、悪化してからだと遅いから。命に関わるかもしれないしね。

4つ目、何かあったらすぐに言うこと。体調のことも勿論そうだし、学校で何かあっても言って欲しいな。

5つ目、1日に少しの時間だけでも、一緒にいる時間を作ること。まだ僕のこと怖いと思うけど、これから家族だからね。

この5つ、特に最初の4つは守ってもらわないと困るかな。Aちゃん、守れるかな?」

私のことを思ってくれて、ここまでしてくれるなら、少しずつ、信じてみようって思えた。
だから私も勇気を出して

『守れ、ます。』

声が震えちゃったけど、しっかり言えた。
相川さんは私が話したことに少しビックリして、それでも笑いかけてくれた。

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作者名:風-ふう- | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年5月7日 9時

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