俺の彼女がこんなにも可愛い【伏黒恵】

35話　貴方side ページ44

貴方side




凌来に会いに行った日から数日

私は任務が立て続けにあってしばらく凌来の病室には顔を出せないでいた

今も任務帰り
ちょっとしくじって左腕を打撲してしまった

まあ大丈夫でしょ〜と思って放っておいたらこれが結構痛かった

なので今は医務室に向かう途中


ドアノブを握るといつもより軽くて首を傾げる


『あれ？、…って、わ！』


勢いよく扉が開いたので反射的に後ろに下がる




家｢あ、未来｣

『硝子お姉ちゃん！』




ーーーーーーーー
ーーーーー
ーー





家｢また怪我したのか？五条に怒られても知らないぞ
　 ていうか、お前も五条だったな｣

『その話なんだけど硝子お姉ちゃん知ってた？』

家｢逆に知らなかったのか？｣

『えっ』



質問に質問で返されたので、とりあえずこの前の話をあらかた説明した



家｢そういうやつだったな、アイツは｣

『ですよね…』

家｢ほら、腕見せてみろ｣

『はぁい』



硝子お姉ちゃんに手当てしてもらうのはすき

とっても優しい手つきで手当てしてくれるの

でも、硝子お姉ちゃんを見てたらお母さんを思い出して少しだけ悲しくなっちゃう



家｢どうかしたか？｣

『ううん、なんでもないよ
　いつも手当てしてくれてありがとう』

家｢未来が怪我したらいつでも治してあげるよ
　 でも五条にネチネチ言われるのは嫌だから
　 怪我も程々にしてくれ｣

『はぁい』

家｢そういえば伏黒のことなんだが｣

『恵くん？』

家｢なんか最近無茶してるっぽくってな、
　 しょっちゅう大アザ作って医務室来るんだ
　 何か知らないか？｣

『ごめん、わかんないや……
　どうしたんだろ恵くん……』

家｢あんまり抱え込んでるようなら
　 相談相手にでもなってやれ
　 この世界では、それが命取りになることも
　 あるからな……｣

『……うん、
　手当てしてくれるてありがとう硝子お姉ちゃん
　今度一緒にお買い物行こうね！』

家｢…ああ、楽しみにしてるよ｣




軽く手を振ってくれた硝子お姉ちゃんに手を振り返して医務室を出る


私、恵くんのこと、何も知らないなぁ

彼女、なのに

無理して、頑張ってるんだなぁ、

私も何か、恵くんの力になれたら、……





　

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



補足


このお話の時間軸は京都姉妹校交流会の後、八十八橋の前なので恵くんは “焦っている時期” です


未来さんが硝子さんのことを｢硝子お姉ちゃん｣と呼ぶのは幼い頃から面識があるからです


　

36話　伏黒side→←34話　五条side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す