出会い04 ページ5
「成る程なぁ、それでここに囚われてたと。」
それでそれで？と楽しそうに目を輝かせながら話を聞いてくる緑の人。
吸血鬼を目の前にして、こんなにビビらず、また捕まえようともせず、ただただ私の話を聞いてくるこの人は本当に変わった人なんだろう。
吸血鬼を見ると、人は恐れるか、研究の対象にするかの2択になるらしい。
後者は、死ぬよりも辛いことを平然とやってくる。
研究の中で、同族は全員捕らえられ、調べ上げられ、反抗した者は次々に日の光に晒されて殺された。
生き残っている仲間や家族は、別の国へ売られていった。
ある研究者によると、1週間程、何も取らず飢餓状態になった時に血を見ると、私の種族は目が紅く光るらしい。
『先程いた人には、その特性を玩具のようにずっと扱われていました。』
「あー、血を垂らしてニヤついてたんは、お前の目ェを見たいが為か。」
きっしょい男やなほんま、と言いながら軽蔑するような目で彼だった物を見る。
…。
この人は、何で私に対して嫌な雰囲気を出さないのだろう。
「んで、お前はこれからどないすんの？」
『私…ですか？』
ぼーっとそんなことを考えていれば、いきなり問われて咄嗟に答える。
私は死にたくて仕方ありません。
そう彼に伝えるとふーんと詰まらなそうにナイフを弄り始めた。
『でも、』
「でも？」
赤に染まる床を見て、この緑の人に今までの話をして、今まで死んで楽になりたいとしか思っていなかった心に、言葉に出来ない程の憎しみと復讐心が湧いてきた。
仲間を、家族を連れ去った国、そして私を好き勝手に何十年も研究していたこの国の研究者を。
『奴らを一人残らず、ころしたいです。』
「！！
んふふ、ええやん。」
うちおいでや。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フラスコ(プロフ) - onigiri710さん» コメントありがとうございます！小説は妄想の具現化なだけなので文才皆無で…。絵はすごく時間かけたので褒めて頂けて嬉しいです\‖(^○^)‖/ハイジャンプ (2020年7月3日 6時) (
レス) id: 3b8f60e517 (このIDを非表示/違反報告)
onigiri710(プロフ) - 小説かけるだけでもすごいのにプラスイラストまで描けるだと‥‥僕の精神がおいやられていくぅぅぅ(本音、神小説に神絵を見させていただきありがとうございます(スライディング土下座)) (2020年7月2日 22時) (レス) id: da17dc294d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フラスコ | 作成日時：2019年6月18日 0時
