ヴァンパイアボーイ｡【ヒプマイ／男主】 (ページ9)

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勿論助けなんて来るはずもなく、そのまま入間さんからの質問という名の尋問が始まってしまった。

「まずお名前と年齢から聴きましょうか」

『 ……えと、緋翠Aです。17歳です…… 』

もうここまで来たら年齢なんて誤魔化せない。

警察の方に嘘なんてつけないから。

「では緋翠Aさん。貴方は何故こんな夜中に外に？」

『 ……えーと……ちょっと、夜の散歩をしたくなっちゃって…… 』

いくら入間さんが警察官だろうと、さすがに“ お腹がすいて血を貰いにきました “なんて言えないからそこは誤魔化すしかなかった。

僕の言葉に、入間さんははぁ……と呆れたように溜息をつく。

隣に座っている外国系の男性……さっき入間さんの時に自己紹介してくれた、毒島メイソン理鶯さんというらしい。ハーフなんだって。

毒島さんは、僕の言葉にちょっと怪しんでる感じがした。

「ふむ、確かに夜の散歩は楽しいかもしれないが……貴殿は未成年以前に女性だ、女性の夜の一人歩きはとても危険だからやめた方がいい」

「理鶯の言うとおりです。ただでさえヨコハマは治安が悪いというのに、貴方がいた場所なんて完全な無法地帯。女性が来る場所ではありません」

『 …………へ？』

二人の子供を叱るような、そんな言葉の中の“ 女性 “という単語に驚いて声をあげる。

( ……もしかして、僕、女の子だと思われてたり……する？)

『 ……あの』

「どうした？」「はい、なんでしょう」

おずおずとお二人を見れば、まだ何かあるのかとでもいうようにジト目で見られた。

『 ……僕、男です』

「 ……………………は？」

『 ……僕、男です。男』

目をかっぴらいて僕を見た入間さんと、無表情だけど僅かに目を見開いていてなんとなく驚いてるのかな、と感じとれた毒島さん。

「 ……貴方男性だったんですか……？！」

『 ……は、はい』

そんなに女の子っぽく見えるのかな……？

確かにそんなに背も高い方じゃないし、体つきもいいわけじゃないけど……。

「すまない。貴殿が小柄で愛らしい顔立ちをしているので、小官も銃兎と同じく女性と勘違いしてしまっていた」

『 ……へ、あ、愛らしい……？』

突然の毒島さんの言葉にドキッとして思わず俯く。

( ……愛らしい、だなんて。僕、男なのに……でも )

そんな事初めて言われたから、凄く恥ずかしくなってしまった。

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