1章12話 天性の女優 ページ13
「は……?」
本人だった。紛うことなく本人だった。
勝手に針人形だと思っていたけど、よくよく考えるとわざわざこんなに大量の針を刺してまで針人形を試験に行かせるメリットはそこまで無い。ただの針人形なりきりしてる本人だった。
「何故か俺の事知ってるし、最初は殺そうかなーとも思ったんだけどさ。
「前は全部自分から切り離して徹底的な変装をしてたわよ。それが偽装になりきりすぎて、危うく自分の事全部忘れる所だったわけ」
「へー。だからある程度残してるんだ」
「そ」
名前、性別、年齢、身長、体重、人格など全ての要素を自分じゃなくして、徹底的に変装する事だってしようと思えばできる。
前まではそうして過ごしていたのだが、ある時ふと、偽装の自分が本当の自分であると思い込み始めてしまった。
本当の自分の事を忘れてしまった。幸い、本当の自分と偽装の自分、どちらも知っていた知り合いによって私のセルフ人格破壊はすんでのところで止まった訳だけど。
それからは危険さを学んで、絶対に偽装の自分に感情移入はせず、本当の自分の要素を入れるようにしていた。
今回、本当の自分の髪色であるネイビーブルーから取り、“ネイビー”という名を使っているのもその為だ。
というかそもそも、役から“戻れなくなる”ことは、昔からかなりあったし。
「やっぱお前、天性の女優だよね」
針人形──ではなくイルミが、何の気なしにそう言った。
その瞬間私は思わずイルミにナイフを向け、次の瞬間にはそれが弾かれる。
私の手から離れたナイフは進むべき道の方に落下した。
するとすぐに、ナイフの落下地点に穴が開き、そこから細長い槍が突き出してくる。どうやら、進む道のあちこちにこういった罠が仕掛けられているようだ。
確かにこれは、普通に考えると難易度は高い。
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わっし - イルミとの絡みも過去編?も凄い好きです…!武器を自由に操れる…武器の威力も操れる…ってコト?! (1月3日 0時) (レス) @page43 id: bdc57886de (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - Asaちゃんさん» コメントありがとうございます。イルミとの関係性は自分でも気に入っている部分なので、そこを肯定して頂けて、すごく嬉しく思います……!! この気持ちでこれから先、更新頑張ります! (2021年5月29日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
Asaちゃん(プロフ) - やばい、イルミとの絡み方がすごく好き!更新楽しみにしています^ - ^ (2021年5月28日 7時) (レス) id: 245967808e (このIDを非表示/違反報告)
あめ。(プロフ) - ダチュラさん» そう言って頂けてとても嬉しいです……!!調子に乗って、連日更新してしまいました笑。閲覧、暖かいコメント、ありがとうございます! (2021年5月28日 1時) (レス) id: d0d59a8df2 (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です!!続き気になる……!!更新待っています!! (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ。 | 作成日時:2021年5月22日 0時