…この既視感は… ページ5
クロロが目覚めるとそこは清潔なベッドの上。
腕に違和感を感じ見れば高カロリー輸液が施されていた。
充分睡眠を取れたお陰か倦怠感は随分と和らいでいる。
だが今すぐ移動というのはまだ無理だと体が訴え諦め目を瞑る。
点滴特有の睡魔がクロロを夢の中へ引きずり込もうとするがそれは叶わなかった。
板を釘で打ちつける音が聞こえて女の存在をハッキリ思い出し重い体を起こした。
点滴パックを高めに持ち、階段を降りるのは億劫だったが手すりに頼り一階へ降りる。
『あ、起きちゃった？ 体調はどう？』
「随分楽になった」
『そっか。 でも点滴はまだ外さないでね』
女は板と釘を置いて台所で手を洗い、クロロの点滴の減り具合や脈を確かめる。
「ここはお前の別荘…ではなさそうだな」
『あ〜、ちょっと…玄関を強引に開けちゃったせいで扉が壊れちゃって…』
クロロが怪訝な顔をすると言葉という言葉を尽くし女は言い訳を並べ立てる。
『ここしか別荘なかったし、急いでたから…壊しちゃった所は応急処置して後で弁償する』
「真面目だけが取り得に見えたんだが」
『泊まれそうな所はここしか無かったの!! 人命最優先!!』
扉を見れば無残にも傾き、すきま風が楽々入ってこれる風穴まであった。
「体当たりでもして開けたのか？」
『ま、まあ、そんな感じ？』
「…怪我してないだろうな」
『私は全然』
嘘つけと思うクロロ。
微かにする湿布の香り。
クロロの為に女が必死に扉を強行突破したのは容易く想像出来た。
『とりあえず！ 貴方は大人しくベッドに戻って横になってて』
「怪我して力が入らないのは俺もお前も同じだろ」
『…私は平気、本当に。 自分の心配だけしてて』
「…ならいい。 ここは後で弁償する気なら別に嫌がらせにしか見えない修理をする事は無い」
女は絶望的な程に不器用らしくどこもちぐはぐに板が取り付けられている。
『嫌がらせって…修理ですけど？ でも何かを使ってバリゲードみたいにして終わりにしようかな？』
「それが無難だ」
『ここの家主には申し訳ないけど、私が下手に修理するよりきっとマシだと思ってくれる筈』
「間違いない、少なくとも俺ならそう思う」
『…サラッと失礼な発言をされ続けてる気がするんですが』
「事実を述べている」
クロロを軽く睨み口を尖らせる女
頬を膨らませ、すぐに拗ねる仕草
一連の仕草にもある既視感。
なあ、お前は一体―――…
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みお(プロフ) - あー…ほんとに主様の作品大好きです…。今日一気読みしてもうほんとに好きです(？) (2022年10月2日 23時) (
レス) @page48 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
和花 - 絵めっちゃうまいし、とても面白いです！他の話も読みました！ゆーじさんが描く話、とても大好きです！ (2022年2月9日 14時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - メッセージありがとう〜！もう週明けになっていたとは…時間の流れが早過ぎて驚いた。遅くなってしまって本当に申し訳ないです！スミマセン…!! (2019年2月25日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - テスト前故しばらく浮上してませんでした...。気づいてなくてすみません(汗)桜の方、ちょっと覗いてみてください。更新はまだ先になります。次の更新も、楽しみにしててください！絶対ですよ！ (2019年2月22日 21時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - kayaさん» こんな自分がkaya様を何と呼べばいいのか…!!!?か…かや…kayaさん!!もー本当にイイ子だー…ちゃんと躾されていい友達にも恵まれて素晴らしい人生歩んでいそう。勿論辛い事もあると思うけれどそれでkayaさんの才能を潰さないようにね。kayaさんの夢、叶う事願ってるよ。 (2019年2月20日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2018年11月4日 5時
