ＰＭ １２：００ 〔 Ｈ×Ｈ 〕 ...Quwrof...

…戦闘狂的思考… ページ35

ヒソカはそっと２階へ向かう。

苛々しているクロロの気配を頼りに楽々そこへ到着する。


コン、コン、コン、

律儀にノックするヒソカは本当に戦闘狂なのか疑いたくもなる。

ピエロメイクをしていないヒソカは夜の街に似合うバーテンの様だ。



「クロロ、ちょっといいカナ♧」


「…」


「起きてるのは分かってるよ♢」



バンッと勢いよく開く寝室の扉。



「何か用か」


「んー…Aなんだけど、ボクが話掛けても全く応じてくれない♤」


「で？」


「様子見にくるって言ったのに、クロロが来ないから迎えに来ちゃった♡」


「一々報告しに来なくていい、俺の都合で見に行く」



クロロは念が見えない事を良い事に “ 伸縮自在の愛(バンジーガム) ” でクロロのナイフを盗む。

毛布を一枚貰うよ、と言って “ 薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー) ” で隠蔽。

肩をすくめクロロに背を向けリビングに向かうヒソカ。



「(これで暫くクロロはリビングに来ない…♢)」


クロロを来させない(・・・・・)為にAの名を出した。

寝ていて返事をしないだけだが、嘘では無い。


寝ているAの前に立ち、禍々しいオーラがヒソカを包む。

だが一週間睡眠時間を削っていたAの久しい睡眠は深い。


クロロと再会した安心

生きていてくれた安堵

それら全てがAの眠りを覚まさせなかった。




「A、君がいけないんだよ」






ヒソカがAを自分の最強の切り札(ワイルドカード)にしない筈が無い。

Aの念能力もクロロやイルミと密接ながある彼女を。


ヒソカは抜かりなくクロロのベンズナイフの毒をAに少量ずつ摂取させておく。

Aに念の使用…吸念されるのだけは何が何でも避けなくてはならないからだ。

鯨一頭動けなくさせる毒なので様子見はしつつAの自由を的確に奪った。


Aの服を取っ払いソファーに白い体を横たえさせる。

覆い被さりAの脈を打つ首筋、鎖骨へと…

ヒソカは唇を寄せ、紅い印をAの体に付けていく。


誰が(・・)、どう見ても(・・・・・)その紅が何を意味するか判る様に。

これでクロロから相当な怒りを喰らうことは間違い無い。


それが戦闘狂ヒソカの一番の狙いで彼の思考回路。

ヒソカの今１番の目的、確実にクロロと戦う為。

その為なら手段は選ばない。


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