…何も知らない… ページ26
窓の外が別世界に見えた
Aと馬だけが生きている、そんな世界
馬が余りにAを押すので傾き地面に手をつける
いつもの事なのかAはちっとも怒らず馬の頬を撫でる
やがて立ち上がり、馬のたてがみを手にするとひらりと馬の背に乗る
ゆっくりと駆け足になるがAは乗り慣れたものでバランスを崩さない
それどころか右へ左へと体重移動と足の合図だけで自在に馬をコントロールしている
しばらくは見える範囲を駆け回っていたが何を思ったのか一直線遠くへ去って行ってしまった
「…ちゃんと戻って来いよ」
１時間、２時間…
時間だけが過ぎていく。
外は暗闇に覆われ
夜行性動物達が目覚める。
「あれ？ アノ子、ドコ♤？」
「…さあな、馬に乗ってどこかへ行った」
「折角夕飯作ったのになァ、じゃ、クロロ、冷めないうちに食べようか♡」
「お前が作った料理は食う気にならない」
「アノ子のだったら食べるワケ♧？」
数秒悩んで、悩んだ事に苛立ちまた舌打ちするクロロ。
それでもテーブルに並べられた料理の香りと、それに刺激された空腹感で席に着く。
「どうせアノ子は食べないだろうしね。 さ、食べよう♢」
「どういう意味だ」
「どうもこうも、クロロだって薄々気付いてるんじゃないのかい♤？」
「…勿体ぶらずに早く言え」
アノ子、何かが死んでるよネ―――
ヒソカは食事しながら不気味な気配を漂わせそう言った。
「ホラ、クロロも食べてよ♧ 早く回復してくれないとボク退屈だし♡」
今、クロロの立場は確実にヒソカより弱い。
力や念は関係無く何においても負けている。
Aは何か欠けているとは感じていた。
ヒソカの言った「死んでる」という言葉がしっくりきてしまったのだ。
反抗期の少年の様に乱暴にスプーンを持ち具沢山なスープをさっさと食べる。
悔しいが中々美味く、体の芯から温まるのが余計に悔しく腹立たしくもあった。
「そんなにイライラするならアノ子に電話掛けて戻って来いって言えばいいのに♧」
「…」
「まさか知らない、なんて言わないよねェ？」
「……」
知らない。
電話番号も念能力も、望みも、何も知らない。
知っているのは子供の頃の怖がりで無き虫なA。
「ヒソカ…Aを探して連れ戻して来てくれるか」
「しょうがないなァ♤」
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みお(プロフ) - あー…ほんとに主様の作品大好きです…。今日一気読みしてもうほんとに好きです(？) (2022年10月2日 23時) (
レス) @page48 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
和花 - 絵めっちゃうまいし、とても面白いです！他の話も読みました！ゆーじさんが描く話、とても大好きです！ (2022年2月9日 14時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - メッセージありがとう〜！もう週明けになっていたとは…時間の流れが早過ぎて驚いた。遅くなってしまって本当に申し訳ないです！スミマセン…!! (2019年2月25日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - テスト前故しばらく浮上してませんでした...。気づいてなくてすみません(汗)桜の方、ちょっと覗いてみてください。更新はまだ先になります。次の更新も、楽しみにしててください！絶対ですよ！ (2019年2月22日 21時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - kayaさん» こんな自分がkaya様を何と呼べばいいのか…!!!?か…かや…kayaさん!!もー本当にイイ子だー…ちゃんと躾されていい友達にも恵まれて素晴らしい人生歩んでいそう。勿論辛い事もあると思うけれどそれでkayaさんの才能を潰さないようにね。kayaさんの夢、叶う事願ってるよ。 (2019年2月20日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2018年11月4日 5時
