暗殺者執事 〔 Ｈ×Ｈ 〕

暗殺者は甘えんぼ ページ30

見た目こそ何も変化はないが…



「Aーもっと俺にも構ってよねー」


『…はいはい』


「何、その返事、俺の言う事聞いてないでしょー」


『はいはい…そうですねー』


「Aが冷たいー。 あ、もしかして俺よりミルの方が好きなのー？」


『どうでしょうねー、ちょっ…抱き付き禁止です!!』


「何で？ ねえA知ってる？ 俺、今ちょい反抗期ー」


『はいはい…ハイ!!?』


「やっとちゃんと聞いてくれたーAの意地っ張りー」


『全然会話繋がってませんけど…は、反抗期…？』



タラリと汗を流しながら引き攣った笑顔でイルミに聞き返す。



「うん…だって俺、弟に返り討ちにしてやるとかさーイルミって呼び捨てにされたんだよ？」


『ま、まさか…ちょっとした兄弟喧嘩ですよ…たぶん』


「いや、あれは本気だったねー弟の “ ソレ ” が無敵状態でさー誰も敵わないしさー」


『イルミさんより強い弟さんなんて居ましたっけ？』


「Aは会ってないよねーキルアとアルカ…で、アルカが “ ナニカ ” でヤバいんだよねー」


『(弟多ッ!! 全然分からない!!)』



イルミの弟はミルキとカルトだけだと思っていたがまだ居る事に驚くが理解が追いつかない。



「何でも叶うお願いはリスクが付きものだと思ってたらさー、キルにイイコされたいだけとか…」


『イイコ…？』


「そ、抱っこしてだの頭撫でてだのさー…それだけの為にって有り得る？」


『…あ、あったんじゃないでしょうか、事実…』


「ないよ、有り得ない」


『は、はあ…』



もうイルミは泥酔状態で夢でも見てるんじゃないかと思い、９割方信じていないA。



「…A、イイコして」


『…イ、イルミさん…お水でもどうぞ』


「ちがーう。 抱っこしてイイコイイコしてー」


『イッ!! …イルミさん力!! 首の骨折れちゃうー!!!』


「じゃあしてくれる？」


『します!! しますからー!!! (その弟は間違いなくイルミさんの兄弟に間違いないッ!!! )』



散々否定しておいて同じ事してとか我儘過ぎると言いたいが、窒息死間近で言えなかった。



『…はあ…はい、イルミさんイイコ』



ぽん、と肩に手を置いたと見せかけて距離を取るA。



「…もっとー」



ギｭｩｩ…ミシミシ…とイルミがねだるごとにAの骨がしなる音がする。



『(ヤバッ!! マジで殺される!!?) イイコイイコ――――!!!』


「…うん、悪くないね」


『(私、命懸けなんですけどッ!!？)』


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