暗殺者執事の不安 ページ27
「そこまで怒る程の事じゃないと思うんだけど」
『安静にだの寝ろだの言うのにイルミさんが…!!』
「俺が何?」
冷静にと自分に言い効かせるA。
しかし火に油を注ぐ如くシャワー中であるAの浴室に顔をひょいと出すイルミ。
『……』
「ねえねえ、俺が何?」
『怪我と毒で安静にしてなきゃいけない
怒りと矛盾するイルミの発言に顔を引き攣らせた笑顔でイルミに釘を刺す。
「大丈夫、さっきよりちょっと長くなるかもだけど痛くしない様に注意するから」
『駄目ですッ!!!』
体力底無しのイルミの相手をしていたらいつまでも怪我が治らなくなってしまう。
『それに動き回るなら痛いままにしておこうかって言ったのイルミさんですよ!!』
「やだなー冗談だよ。 ちゃんと痛み止め持ってきてるし」
『それはそーゆー為のモノじゃありませんッ!!!』
「えー」
『 “ えー ” …って…』
超マイペースで他人を巻き込むイルミ。
「あ、そうだ。Aが寝てる間に服届いたからここに置いておくから」
『…ありがとうございます』
こういう優しい一面があるせいでAは陥落してしまった訳だが。
『…愛じゃない……温もりだけ欲しかった…そうだったら楽なのに…』
もう希望の持てない未来だけだと思った。
それでいいと覚悟した道にイルミが居た。
優しさをくれて、愛をくれた本物の
彼がいなければ強がれた。
寂しいとか悲しいなど思わずに。
『“ 知ろうとして欲しかった ” なんて…じゃあ…聞いたら本当に全部答えてくれますか…?』
伝説の暗殺者が一捻りで殺せる相手に。
兄弟でだって知らない事もあるであろうゾルディック一族。
親子ですら、家族にすら秘密にしている事は必ずある筈だ。
『(そう…例えば…)』
「Aーまだー? そっち行っちゃうよー」
イルミに呼ばれてハッと我に返る。
考え事を始めてから20分も経過していた。
『駄目ですッ!! 今行きますからー!!』
「じゃ早くねー」
両手でパシッと頬を叩き気合を入れる。
『休暇も仕事…か、よしっ!』
仕事、仕事と念じなければイルミの顔を正面から見られそうにないA。
恥ずかしさと不安の混じった気持ちは伝説の暗殺者の瞳を誤魔化せるだろうか。
世間とはかなりズレているせいで年齢の割に実に純粋でシンプルなイルミの眼差しを。
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ゆーじ - 藤原 黎明さん» ありがとー!!前誰かに言ったカモだけど「人生辛い」感じのものばかりだし夢主ちゃん生存確率低いからピンポイントな方にしか興味持って貰えないから。投稿する新作を下書きしてたら40話位で設定似たの見つけてデリート。作り直して時間掛かっちゃって本当にゴメンね!! (2018年11月3日 11時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - ゆーじさん» いえいえ、ものすんごい、ものすんごい楽しみにしてます!!ゆーじさんの書くものなら絶対面白いので(*^^*)最前線で……!?嬉しすぎます!私もじゃあ前言撤回で、最前線の最前列で応援してますー!!!!! (2018年11月3日 1時) (レス) id: 012304d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - 藤原 黎明さん» 黎明様リクをやっと…やっと投稿出来る日は近いです!!あまり甘くは…無いカモ、ゴメンだよー!!数ページ、いや、数行カモだけど見にきてくれると嬉しいよ!11月の第二週か第三週に投稿します!応援ありがとー!!自分も黎明様応援してるよ!!陰じゃなくって最前線で!! (2018年11月2日 23時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - わー!!新作来ますか!?めっちゃ楽しみです!!そして嬉しいです!!ありがとうございます!!これからもお身体大事に頑張ってくださいね。陰ながら応援しております! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 012304d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - やると決めたのでちゃんと新作書きあげますよー!数少ないリクエストにお応えできる質(甘さ)ではないかと思うけれど、頑張る、自分に出来る事はそれだけだから(笑!新作楽しみにしていてくれてありがとうね!寝るの大事!お休みだよー(笑! (2018年10月30日 3時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーじ | 作成日時:2018年6月30日 9時