14話 ページ15
飲み物を買いに部屋を出ると、廊下に見慣れた後ろ姿があった。
『カルマくんだ!』
「うわ」
『うわって酷くない?まさか偶然会うなんて運命すぎて寿命100年延びた』
「……七瀬さんは、どうして俺にそんなにひっつくわけ?」
『顔面国宝存在世界遺産まるでルーブル美術館生きているだけで偉い名前から溢れる尊さ性格は最高を極め世界ランク一位の人類だから』
「気持ち悪い」
『とにかく!カルマくんは生きてるだけで偉い!存在ありがとう!』
「はぁ……」
引いてるのを隠さず私を見下ろすカルマくん。
カルマくんって渚くんたちと私とは態度が違いすぎる。
いや、私が干されてるんだ。
カルマくんに好かれたいぴえん。
私は廊下の窓を開くと、満天の星空を見上げた。
風が不意に吹いて前髪が揺れる。
『なんか周りからはカルマくんのこと恋愛として好きだと思われてるのウケるな』
「は?」
私の呟きに、カルマくんは素早く反応した。
『女子って本当にそういう話題好きだよねー。あ、私も女子か』
私が笑いかけたが、カルマくんは別の方向へ歩き出した。
『私を置いてどっか行くなんて酷くない?男としてそれはねえじゃろがい。うわーん、泣いた』
唇を尖らせてカルマくんの背中を見送った。
「……いや、一瞬だけ意識しちゃったじゃん」
そう呟きながら頬を染めていたことも知らずに。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りこ(プロフ) - フォレットさん» ありがとうございます! (2020年3月17日 18時) (レス) id: f020dc5a97 (このIDを非表示/違反報告)
フォレット - めちゃ面白いです!更新頑張って下さい!待ってます! (2018年9月5日 19時) (レス) id: 12bb29eccb (このIDを非表示/違反報告)
チーズフォンジュ(プロフ) - きなももさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年8月6日 19時) (レス) id: f020dc5a97 (このIDを非表示/違反報告)
きなもも - 面白かったですっ!これから頑張れー!! (2018年8月4日 14時) (レス) id: b65aaa6df0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ