彼女じゃありませんっ

肩貸します　 ページ34

「窓側、今日Aだよ」


昨日
俺だったから


微笑みながら
ジョンイン君が網棚に荷物を乗せる



席は交代で、
なんて決めてないのに


当たり前のように言うジョンイン君に
ちょっとたじろぐ私



ジョンイン君は網棚に手を掛けたまま
？と私の顔を覗き込んだ



「A？
今日、Aが窓側だってば」



ひ///



至近距離の笑顔に促されるまま


わたわたと窓側に座った私の隣に
どっかりと腰を下ろしたジョンイン君



うん
席、すでに狭いっ



ジョンイン君はむんっと腕組みをすると
背もたれにもたれて満足げに目をつむった


その様子を見ながら
私はカバンからこの所ちっとも読み進んでない本を取り出して
栞の挟んであるページを開く



良かった


肩はいいよって言っちゃって
どうなることやらと心配してたけど


私の肩
さほどご入用ではないようで、って…




ぴくん！と跳ねた私
わわわ？と身体を起こしたジョンイン君に


「何？」


って言われる




何って…



「びっくりした」
「ぁ…ごめん。…ダメだった？」
「ダメ…ではないｹﾄﾞ」




「じゃ…いい？」





急に寄り掛かられても困るｹﾄﾞ
前もって聞かれるのも困るものなのね



いい と聞かれ
うん と返事をして
つつ と寄り添われて
とん と肩に頭を乗せられる



その一連の動きは想像だけでは計り知れない
表情とか 重みとか、感触だったりとか、体温だとか…を身をもって体験する訳で


ただでさえ
ﾄﾞｷﾄﾞｷしてるっていうのに
くぐもった声が耳に届く



「…んだ」

「え？」

「なんか眠気飛んだわ」




「…なら、離れてよ」

「あー眠くなってきた」




頭を置くのにしっくりする場所を探してるのか
ジョンイン君は何度も頭を乗せ直してる



もぞもぞとするたびに
サラサラの髪が
ふわっと頬に触れる



動きが止まって次第に重みを増す頭
だんだん開いていく膝に
何か違和感を感じて


肘でぐりぐりしてみた



「んふっ。
　…ゃ…やめろよ(笑)」

「寝てないじゃん」

「まじ寝かかってたって」



文句を言われ
再び寄り掛かられて
ぴったりとくっつく腕と太腿に


また寝た振りでは？と
肘を用意しつつ顔を覗き込むと


本当に寝てた//


ひゃ
おくち少し開いてる(笑)



キム・ジョンイン
その寝顔
無防備過ぎ




起こさないように手元の本に目を落とすのだけど
重み 感触 体温 そう言うものを感じながら…読み進めるなんて





できない

おしまいっ→←・・・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す