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真咲Side
そんなに歴史のあるチームに俺は入ったのかと思うと、驚きで声も出なかった。
その間にも、話しは続いた。
怜生「ずっと前から、みんなエリートという位置を保ってきた人たちばっかりだ。若いのに。でも俺は例外だった。ここに加入したとき、俺はまだ警視庁に入って2年もたってなかった。健水くん光黄くんペアはその時点でもう、だいぶキャリアを積んだエリートだった。」
怜生くんは悲しそうに遠くを見つめながら言った。
1年とちょっとで警視庁に入れるなんてすごいことなのに…
怜生「俺は、元々海外でFBIをしてたんだ。向こうでは、こんなに日々平和な任務しか来ないような生活は送れなかった。だから、そのうちに技量が付いた。日本に帰ってきて、警視庁の実験爆弾処理班の下っ端として働きだした俺は、海外で積んだ経験によってエリートのような扱いを受けた。だから、常にエリートっぽくいようと一生懸命だった。」
真咲「…。」
怜生「それに、俺に付きまとってるのはそれだけじゃねぇ。俺の母親。藤守(藤田)怜。流石にお前も聞いたことあんだろ？」
そう言って俺に問いかけてくる怜生くん。
聞いたことが有る。
その名前。
まさか…
真咲「実験爆弾処理班の総監だった方ですよね…？」
怜生「正解。」
嘘だろ？
藤守怜さん。
彼女は、警官を目指す全ての若者が一度は憧れる…
そんなすごい人だ。
若くして、総監になった人。
今は引退したと聞いたけど…
まさか、そのお子さんが怜生くんだなんて。
怜生「母さんに憧れて同じ職に就いた。母さんに日本にポストを用意してもらって、誰もが憧れるように帰国子女だなんてカッコイイ肩書も付けて、実験爆弾処理班に所属したんだ。親の七光りだった。母さんはそれを喜ばなかった。母さんの名前を出してちやほやされて、俺は自分に自惚れて行った。そして、一躍警視庁内で有名になった俺は風男塾に呼んでもらった。」
俺は、黙って相槌を打ち続けた。
怜生「そこに入って、初めて自分が落ちこぼれだと気が付いた。健水くん光黄くんペアは俺にちやほやするどころか、すごい剣幕で俺を扱いてくれた。あくまで後輩の一人として、色々なことを教えてくれた。だから、俺はあの二人が大好きだ。宙だってそうだ。俺を色眼鏡で見ない。先輩の一人として接してくれる。俺に初めてできた、本当の仲間。俺は、自分の命より仲間が大切だ。」
そう言って、静かに涙を流した。
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