回想＃忍び寄る誘惑 ページ17
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高校に入ると更にそれは顕著になり、通学は同じスクールバスだったものの、オレとAが同じホームだと認識しているのはウッシーやレトさん含むごく親しい友人だけだった。
オレはサッカー部、Aは演劇部でそれぞれ忙しく活動し、ホームカミングの舞台でAはジュリエットを完璧に演じた。
オレはと言えばAの演技に感涙していたのも束の間、ホームカミングのスクールキングに祭り上げられ、同じくスクールクイーンに選ばれたチアリーダーのジェニファーと校内を練り歩かされていた。
オレと同じく金髪碧眼、スラリと長い脚でモデルのようなスタイルのジェニファーは、まさしくスクールクイーンと呼ぶのに相応しい自信に満ちた女。
ジェニファーは地元で有名な大企業の社長令嬢でもあり、周りにはいつも取り巻きがいた。そんな絵に描いたようなクイーンが、孤児院出身と知ってか知らずかオレを気に入り、なんとか手に入れようとアプローチしてくるようになった。
初夏のある日。
その日は試合があり、オレのパスミスで失点した罰としてコーチから倉庫の整理と掃除を言い渡された。
倉庫に入るともわん、と埃が舞い、思わず窓を開けた。床を箒で掃き、隅の方に落ちている誰かの靴下や丸めたテスト用紙なんかを集めて捨てる。きったねえな…早く終わらせて、帰ってAとアイス食いに行こ。そんで、久しぶりに4人でゲームしよう。
そんな事を考えながらせっせと掃除していると、重い扉が開き、ジェニファーが入ってきた。
え、とマヌケ面で彼女を見るオレ。
「キヨ、今日は惜しかったね」
そんなことわざわざ言いに来たの？と問いたかったが、今日の試合でジェニファー率いるチアチームもオレらの応援に来てくれていた。不甲斐ないところを見せてしまった負い目もあり、邪険にはできなかった。
チアガール姿のジェニファーは、倉庫の窓をゆっくり閉めた。何をしに来たか全くわからないオレは、掃除しながら彼女の動きを目で追った。すると彼女は、ポニーテールと短いスカートを揺らしながらオレの元へ近づき、その右手をそっとオレの胸に当てた。
キ「……？」
彼女はずい、と近づいて、体を密着させてきた。
…え、なに？何をされんの？
ジェニーは、反対側の指でオレの唇に触れた。
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いりや(プロフ) - りんごさん» 素敵な言葉で褒めて頂き有難うございます😊楽しんで頂けて幸いです✨ちゃんと完結しますので気長に更新お待ちいただけたらと思います。ミステリ系がお好きでしたらFriday Nightは完結してますのでよかったらお試しくださいませ🤗 (2022年4月6日 22時) (
レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とても面白かったです！読む手が止まらず1話から最新話まで一気に読んでしまいました。本当にこの作品に出会えて嬉しいです。これからも応援しています！ (2022年4月6日 15時) (レス) id: 7d7013c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - でんこさん» うう、嬉しいお言葉ありがとうございます(T-T)！ドキドキきゅんきゅんして頂けたら私も嬉しくてほくそ笑みます！ジェイソンとはまた違うタイプのお話になるとは思いますが、読み続けて頂ければ幸いです^ ^頑張って更新します😊 (2021年10月17日 9時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
でんこ - いりやさまの書かれるお話大好きです！ジェイソンの時もすっごくドキドキしてキュン要素もあって最高でした。これからもがんばってください！応援してます！ (2021年10月17日 1時) (レス) @page8 id: 960c4a624a (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - chiyuさん» いらっしゃいませ。こちらこそ、心に沁みる素敵なコメントを有難うございます🥰世界観を活かした読み応えのあるお話をお届けできますよう、精進して参ります😊 (2021年10月15日 0時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いりや | 作成日時：2021年10月8日 1時
