104.埋まらないもの ページ16
〜sideサクラ〜
今回の任務中のナルトはいつもと違った。
ボーッと何か考え事をしてたり。それで何度サスケ君やカカシ先生に怒られてたことか。とうとう私までキレてしまう始末。
とにかくそれくらいナルトはどうにも変だった。
何かあったのか、って聞いても顰めっ面して何もないって言うだけだし。
いつもならナルトは任務中も隙あらばAさんの話をしてた。なのにそれがなかった。
…この様子からして、きっとAさんと何かあったのね。
そう思った。
任務を終えてAさんに会えば、ナルトはさっさとどっか行っちゃうしAさんは暗いし。
二人がそんなんだと、こっちまで調子が狂うってのに。
「探したわよ」
「…サクラちゃん」
ナルトがいそうな所を探してようやく見つけた。
そこは里が見渡せる場所。
そこにある階段に一人腰掛けてるナルトを見つけ、溜息を吐いた。
そんな辛そうな顔するならあの時Aさんのこと無視しなけりゃ良かったのに。
「アンタずっとそうしてるつもり?Aさん落ち込んでたわよ」
「…別にぃ。それにオレがいなくたって、アイツと楽しそうにしてたし」
「アイツ?…ああ、あの人…」
気にしてないふりしてただけで、ほんとはめちゃくちゃ気にしてたのね。
Aさんにもほんとは話しかけたかったはずなのに、一体何をそんなに意地張ってるんだか…。
「サクラちゃんもさ、オレみたいなのよりもさ、やっぱ…あーいう男の方が好きなのか?」
「はぁ?」
何を急に…と言おうと思ったところで、察した。
なるほど。
ナルトのくせに、いっちょまえに恋の悩みってやつね。
Aさんの事をとにかく好きっていうのはよく分かってたけど、結構本気なのかも。
Aさんもナルトが好きだろうけど、多分あれは家族に対するものと同じでナルトと同じ気持ちではない。
それに、歳だって。
19と12じゃ全然違う。
それでも、ずっと一緒に過ごしてたら好きになっちゃうものなのかな、って。
そう思ったら何だかコイツが気の毒になってきた。
「何があったのか詳しく聞かないけど、歳の差はどうしたって埋まらないんだからうだうだ言ったって仕方ないでしょ」
「うぐぐっ」
「今のアンタじゃ絶対Aさんは振り向かないわよ。ただでさえ自分より子供でそのうえ、こーんなうじうじしてる情けない奴、私ならごめんだけど」
「サクラちゃん…もうちょい言い方あるんじゃねーの…?そんな言われるとへこむってばよ」
「知らないわよ」
1192人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花 - 続き楽しみにしてます!ナルトと夢主ちゃん最高です!これからも頑張ってください!! (2022年12月27日 17時) (レス) @page47 id: 8f1c7c43ac (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 貴方様のTwitter教えてください!!!(もう最高なんですよ語彙力!) (2022年12月26日 15時) (レス) @page47 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - いちごだいふくさん» 応援ありがとうございます!更新が遅くなりましたが、また数話upしたので楽しんでいただければと思います(*^^*)♪ (2022年9月4日 22時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - 続きが見れて凄く嬉しいです!これからも頑張ってください! (2022年6月19日 16時) (レス) @page38 id: 317a37bf32 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - いちごだいふくさん» ありがとうございます!更新遅くなって申し訳ないです( ; ; )お話upしましたので、よろしくお願いします♪ (2022年6月18日 16時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きよか。 | 作成日時:2021年4月11日 20時