エスポワール2 (ページ37)

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照は山田涼介に会えた時の

嬉しそうなAを思い出す。

「ジャニーさんの告別式の時に見つかって、

その後飲みに行ったよ。」

「うわー、A来てたんだ。」

気づかなかったことが相当悔しいのか

阿部は頭を抱える。

「うん、あの時流れてた曲もAが

ジャニーさんに最後に書いた曲

だったから。」

「そっか、、、

でも、Aがお酒飲むとか想像できねー。」

「それ、山田も言ってた。」

照は自分が知っている限りの

Aの人生を阿部に教えた。

所々に質問を投げかける阿部は

実の妹を想う兄のように

穏やかだった。

「俺が知るまではジャニーさんに

滝沢くん、マネージャーだけ、

ほんとに誰も知らなかったみたいだし、

事務所が大事に隠してたんだ。

だけど、Aは、、、今自らの手で

繋がりを持とうとしてるんじゃないかな。」

今日佐久間と阿部に会ったことも

そもそも照との打ち合わせに

応じたことも

最近のAは

SnowManと会うことを

躊躇しない。

その目的がかつての自分を知る

阿部にあるとしたら。

「阿部は事件のこと知ってるんじゃないの？」

Aは知りたいのではないだろうか、

そのために照を近づいたとも

考えられる。

好きという言葉さえも、、、

照はAのことを疑ってしまっている

自分がいることに気づいた。