【赤羽業】変人ストーカー彼女×毒舌不良赤髪

ポジティブ1 ページ3

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休日とは何てつまらないのだ、否、連日が暇過ぎるだけなのか。こんなに時間があるのならバイトの1つや2つ出来るんじゃないのか。あぁでも、連日だからこそお店に負担が掛かるのか。何て、そんな事を思いながら手を動かす。

　現に今、席は満席、絶えず聞こえる「いらっしゃいませー！」って声。その上店内はガヤガヤ賑わっていて、その店内の様子を見たお客さんがどうする?帰る?何て相談すんのはこれで何組目だろう。


不意にカツン……、と鈴の音の様な足音が響いた。つい今さっき迄煩かった声が一斉に止む。
　大衆が、道を開ける。そのおかげで見えて来た人物は、正に``絶世の美少女´´と言う表現が的確で。

ごくり、息を呑む。


すぅ……とその美少女が息を吸った。
息を吸うその姿さえ美麗で、世の中は不平等だと思ったのは此処だけの秘密。

吸った息を、声と共に吐き出して。



「そこをお退きなさい、無礼者」

『っ……』



息が詰まり、声が出ない。一滴の汗が首筋を伝って。

それがポタリ、床に落ちるのを合図に口を開いた。それから止まっていた息を再度吸って。



『ヒャッハーーーーッ！！！！！来た来た来た来たァ!!お嬢様キャラ!!最初はつっけんどんな態度だけど攻略すると後にデレッデレッになるド定番！！こりゃ攻略するっきゃねぇなぁっ！！』



グッへへへと変質者の如く気持ち悪い声を上げてずり落ち掛けていたコントローラーを握り直す。
それからディスプレイに浮かんだ選択肢にカチカチッと音を立てて選択したら。


あら、貴方分かってるじゃない。

そう言って斜め45°で笑うお嬢様キャラにズキュンと胸を射抜かれる感覚。
キィヤァァァァッッ!!!!何て良く分からない叫びを上げ萌悶てればピンポーン、って無機質な音が1階から聞こえた気がして。

ゲームを念の為セーブして自室から出れば今一度鳴るインターホンの音。
　トントントン、可憐な足音を鳴らしリビングへ降りモニターで確認すれば黒尽くめの見た事ない女性と男性が映っていて。

……誰、此奴等。

眉間に皺が寄るのを感じ、ブンブン首を振る。
　いけないいけない。眉間に皺寄せたらブスになっちゃう。私の可愛い顔が台無しじゃん。


くりくりほっぺを弄ってニッコリスマイルを浮かべる。それから通話ボタンを押し、『はーい』と応答。



『何方様ですかー?』

「防衛省の者です。綾瀬 Aさんの在宅で間違いないでしょうか?」

『ほわ?』

「御同行願います」

『へあっ?!』





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