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───ドンッと空虚な部屋に鈍い音が響いた。

ゆっくりと顎を細く長い男の指で持ち上げられ、綺麗な琥珀色の瞳と視線が交差する。
 指先から感じる確かな彼の体温と心拍。端正な顔がそっと耳元に近付いて、心地良いテノール声が鼓膜を刺激する。



「俺を避けるとか良い度胸じゃん」



その言葉には僅かな吐息と怒りが混ざり合っていて、思わず彼の目から自身の目を逸らした。

バクバク早鐘の様に鳴る心音に彼は気付いているのかいないのか。そんなの知らないとでも言う様に彼は私の耳を咥える。
 変な声が出て、眼前にいる大好きな人───カルマ君と目が合う。



『かっ……カルマ君……?!今……耳、え??!』



ただただ困惑するしかない私にも関わらず彼はなにやら妖し気に目を細め、ゆっくりと私の輪郭を指で擦る。
 ビクリ 肩が跳ね心拍数が上昇するのが判った。

 それから彼はその端正な顔を近付けて来るもので思わず目を瞑った。
いやだってこれ……キスじゃん?!キスする雰囲気じゃん?!?!

そりゃぁ大好きな人に壁ドン顎クイからのチューはめちゃくちゃ嬉しいけど?!それでも順序と言うものはあると思うし?!付き合ってる訳でもないし?!なんなら何回もフラれてるし?!かと言って大好きな人にキスされそうになって拒める訳ないし?!あわよくば流れで付き合っちゃお的な?!?!そんなん拒める奴いるぅ?!いねぇよなぁっっ!!!

心の中で一人、自問自答を繰り広げてれば不意に肩に重みが加わって。
 綺麗な赤髪が首を擽る。



「……お願いだから……俺から逃げないでよ……」



いつもの飄々とした彼は何処へやら。弱々しく不安を滲ませている声が私の鼓膜を震わせる。
その姿はまるで怪我をした子猫の様で。
……そんな彼がなんだか可愛らしくて、愛おしくて。
───気が付いたら彼の頬に、自身の唇を押し付けていた。

 反射で顔を上げたのだろう。綺麗な琥珀色の瞳が見開かれ、困惑と言う文字が宿る。
 それから次第に彼は燃える自身の髪色と同じくらいに顔を染め上げ動揺を露わにするもので、くすりと思わず口角が上がった。



『……私に逃げられるの、嫌なんだ?』

「……」

『逃げられて、避けられて。不安になったんだ?』



ニマニマニマニマ、嫌って程口角が上がるのが分かる。
眼前にいるカルマ君はと言えば先程の表情から一変。むぅと拗ねた表情に変わっていて。

 そんな彼を見て、また胸がギュゥっと締まるのだった。




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設定タグ:赤羽業 , 赤羽カルマ , 暗殺教室   
作品ジャンル:恋愛
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サヤ(プロフ) - 磯貝に食べられそうな金魚さん» えー!!!嬉しいですありがとう御座いますーー!!!こんな……こんなやかましい綾瀬ちゃんを愛してくれてありがとう御座います!!!めっちゃモチベ上がる!!予定では今後も業君可愛くなってくので末長くお願いします! (5月26日 23時) (レス) id: 888ceb6036 (このIDを非表示/違反報告)
磯貝に食べられそうな金魚 - 夢主ちゃんのテンション…好きぃぃぃぃ!!いや、こういう女の子大好きタイプてぇてぇじゃん!!何?え、夢主ちゃん天使じゃん!!…やべ…… (5月26日 23時) (レス) @page13 id: 28e7d0c472 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - 増田さん» ……ケアレスミスか……。 国語苦手なんだよなぁ…。増田さんには迷惑掛けっぱなしで申し訳ない (2016年12月22日 23時) (レス) id: fd9cf3b3b1 (このIDを非表示/違反報告)
増田(プロフ) - あと、今更ですけど23話の渚と話してるところ、一様じゃなくて一応だと思います。“よ”じゃなくて“お”だと、、、 (2016年12月22日 21時) (レス) id: ccad45b719 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - 増田さん» トマトとピーマンと人参以外は…… 心配アザッス!! (2016年12月19日 21時) (レス) id: fd9cf3b3b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2016年11月27日 8時

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