[tndi] Part2 ページ37
*
たなっちが階段を上ろうとすると
三階から泣き声が聞こえてきた。
“ ……だいちくん？ ”
たなっちは何となくそう感じた。
体が勝手に動いた。
吸い込まれるように。
「…だいちくん…？
どうしたんですか？」
本能的に感じていたものは正しかったようだ。
たなっちの見つめる先には
うつ向いて涙を流すだいちぃの姿があった。
「…たなっ…ち？」
だいちぃは目を見開く。
たなっちはその表情を気にすることなく、だいちぃに歩み寄った。
「…どうしましたか？」
柔らかい声がだいちぃを包み込んだ。
しかし、だいちぃは 何でもない と首を横に振る。力の無い動きだ。
たなっちはだいちぃに触れようとしたが、手を引いた。
「……はじめさんと何か…？」
言葉を慎重に選んでいる様子だ。
だいちぃを傷つけないように。
「…何で、はじめ？」
だいちぃは困惑した様子でたなっちを見る。
「いや、泣くほどの出来事なら
はじめさんと何かあったに違いないと
恋人と何かあったに違いないと…」
たなっちは寂しそうに微笑んだ。
「…？
はじめは恋人じゃないよ？
ただ俺は、
たなっちに振り向いて欲しいのに
何もできなくて
何もできなくて辛くて……」
だいちぃはくしゃ、と髪の毛を掻く。
泣きじゃくったことで頭が回らないのか、だいちぃはたなっちに告白同然の事を打ち明ける。
「え、だいちくん…それって…」
たなっちは戸惑いつつも、先程とは違う明るい表情を見せる。
「俺を好きってことですか？」
たなっちがそういうと、だいちぃはピタリ、と固まる。
「…ぇ、あ…」
だいちぃの顔はみるみる赤くなる。
忘れてくれ！、とまた目いっぱいに涙を溜めて続けた。
「忘れたくありません
だって、凄く嬉しいんですもん」
たなっちが満面の笑みでそう返すと、だいちぃはポカン、と間抜けな表情をした。
「俺、だいちくんが好きです」
たなっちの優しい声が部屋に広がる。
だいちぃの頭の中では、たなっちの言った言葉が繰り返し流れている。理解するのに時間がかかっているようだ。
「お…れも」
ようやく喋りだしたかと思えば片言。
しかし、たなっちは嬉しそうにだいちぃを抱き締める。
少ししてだいちぃも抱き返した。
「…俺もたなっちが好き」
小さくとも、何処か力強い声が響く。
見えなかった二人の赤い糸が浮かび上がる。
二人とも、それが離れないように抱き合う。
力強く、抱き合う。
今でも赤い糸は
キラキラと輝いている。
もう、離れることはないだろう。
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ちぃ(プロフ) - はじめまして。そして完結&お誕生日おめでとうございます…！更新されるの毎日ワクワクしながら読ませて頂きました…！全部大好きです！！続編全力でお待ちしております！本日はステキな1日になりますように！ (2019年9月15日 12時) (
レス) id: 855d50c0b1 (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - いつも楽しみに更新を待ってました(*´ω｀*)そして！お誕生日おめでとうございます！短編集にたなとま多く取り入れようかな…笑 続編待ってます！ (2019年9月15日 11時) (レス) id: d70a483de9 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 今まで更新ありがとうございました！そしてお誕生日おめでとうございます！素敵な一日になりますように…！絶対はじだい小説描きますので！続編を待ってます！ (2019年9月15日 11時) (レス) id: 0a2930288c (このIDを非表示/違反報告)
なすび - 玉ねぎさん» 素敵なリクありがとうございました！ヤンデレ書くの下手なのですが…喜んでいただけて嬉しいです！また書きますね！これからもどうぞ宜しくお願いします〜！ (2019年8月21日 1時) (レス) id: c63e5ccc18 (このIDを非表示/違反報告)
なすび - あやさん» 本当ですか！？嬉しいです！はい！ありがとうございます！いつでもお待ちしております！ (2019年8月21日 1時) (レス) id: c63e5ccc18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なすび | 作成日時：2019年7月1日 2時
