華になる！《 Kairu.Tamura 》 (ページ9)

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尚大は両親の再婚で小学2年生の時に転校してから会っていなかった。どこで何をしているのか全く知らなかったけど、よりによってこんなところで会うなんて...。

わざわざこの学園に入るために地元から離れてきたから、過去の私を知っている人なんて絶対いないと思ってたのに。

「......つーか、ホントにAなの？変わりすぎじゃね？こんなしおらしくスカート履いてるのとか想像つかなかったんだけど」

『何気に失礼じゃないですか？私、女の子ですけど』

「え？なにその敬語。今更じゃね？」

『もう昔の私とは違うんです、それに......昔のことは、誰にも言わないでください』

「なんで？あぁ......まぁ、『華』の品格じゃねぇからなぁ」

意地悪そうに笑う尚大にカチンときて言い返そうとしたら、突然誰かが尚大の手を掴む。そこには、海琉くんが険しい顔をしていた。

「......織山先輩、なにしてるんですか？手放してください」

「ちょっと話してただけですけど？」

「ダメですよ、2年の『顔』の方がこんな荒っぽいことしてたら...大丈夫？」

『だ、大丈夫です...ありがとう』

海琉くんのカッコ良さに思わず見惚れてボーッと見つめてしまう。すると、私の変化に気がついた尚大が「そういうことね」と微笑んだ。

「じゃあ俺は帰りますね？......1年の『顔』と『華』のお2人、また今度」

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