華になる！《 Kairu.Tamura 》 (ページ44)

今日:3 hit、昨日:26 hit、合計:31,096 hit

#044 ページ44

･

恐る恐る、震える指先で海琉くんの手を掴む。車を降りた先に見えた光景に驚きが隠せなかった。

「海琉くん、Aさん！おはようございます！」

「お2人で登校なんて、なんて仲がよろしいんでしょうか！」

「ホント、お似合いのおふたりですわ！」

『......か、海琉くん？』

海琉くんと私が出てきたのを見つけた生徒たちが、次々に挨拶をしたり声を掛けてくれたり...。今までと明らかに違う態度に戸惑ってしまう。海琉くんはそんな私に「あのね」と話してくれた。

「みんな、Aさんの姿に心打たれたんです。今まで古い考え方で女性はこうでなくては、男性はこうでなくては...っていうんじゃなくて、新しい『華』としての品格をAさんが作ったんです。強く優しい女性は、美しいと。」

『__________......私、このまま『華』でいられるの？』

「みんなが認めたんです......貴女こそが、華だと。それに、異議を唱える人がいれば俺が守りますから。これからも、隣にいてください。『華』としても......」

海琉くんが言った、その後の言葉が聞き取れず『なんて言いましたか？』と聞き返してみるも、なぜか海琉くんはニヤリといたずらっ子のように微笑んだ。

･