華になる！《 Kairu.Tamura 》 (ページ14)

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#014 ページ14

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「大丈夫です。それに、僕ずっと好きな人がいるので、そういうスキャンダルの心配はないかと...」

「えええっ?!どんな子?!」

「スキャンダルの心配ないってことは...外部の子かぁ！海琉ったら、隅に置けないね」

バカでかい声を出す尚大と違って、あくまでも青木先輩は落ち着いたトーンで話をする。というか、海琉くんって好きな子いたんだ......そのことに、すごくショックを受けた。だって、ずっと好きな人ってことは、私のきっと知らない子だ。海琉くんがそれだけ想う人はどんな人なんだろう...と頭の片隅で考える。

考えれば考えるほど、泣きたい気持ちになる。

「でも、多分会えないと思います」

「なんで？」

「名前も知らないので......僕のことも、きっと忘れちゃっただろうし」

青木先輩の質問に、静かに答えた海琉くん。

ねぇ、海琉くん。その子のことを想って、今どんな顔をしているの？

「......もし、その人より魅力的な人が現れたら、忘れられるの？その人のこと」

尚大が海琉くんに問いかける。それ以上聞くのは来るしかったけど、だからと言って動くことも出来なくて。今の私に出来ることは、零れる涙を静かに拭うことくらい。

私の初恋は、実らないのかもしれないって、現実を突きつけられてしまった気がした。

「わかんないけどでも、忘れることはできないと思います」

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