ロマンスが降り注ぐ。《 Koki.Kuroda 》 (ページ9)

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そして事件は今日のHRで起こった。

......なんでこうなった？

「隣の席だから、これからよろしくね？Aさん」

『よ、よろしくお願いします...』

「ねーねー檜山ぁ！交換してよー頼むよー」

「諦めなって黒ちゃん」

今まで保たれていた平穏な時間が、今まさに崩れようとしていた。HRで席替えをすることになり、引いた席はまさかの窓際の1番後ろ。角席でラッキー、と思っていたのも束の間、隣に座った人はまさかの今朝話したばかりの檜山くんだった。そしてなぜか、ずっと交換してほしいと騒ぐ黒田くんと同じクラスでこれまた陽キャくん･ヴァサイェガ渉くんが周りにいるのだ。

異常事態すぎる、もはやカオス。頭ん中パニクっていたけど、ふとある考えが浮かんで、スっと手を挙げる。

『あの......私で良ければ、交換しようか？』

「え？」

『いや、だから、あのっ...1番前でも、気にしない、から...』

黒田くんの席は先生の真ん前、真ん中の1番前。だから1番後ろの檜山くんと交換してほしいのかと思って提案したのだが、3人は面食らったような顔をした。でしゃばりすぎたかな、と思っていたら、檜山くんと渉くんはお腹を抱えて笑い出す。

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