ロマンスが降り注ぐ。《 Koki.Kuroda 》 (ページ16)

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黒田くん、どこに寄って帰るんだろう。

頑張って聞いてみたけど、はぐらかされて結局先に私の家まで送ってくれることになった。

上手く喋れるかな、会話繋げられるかなって心配だったけど、黒田くんがいろんな話をしてくれて、私の相槌にもしっかり耳を傾けてくれてるから、すごく居心地が良かった。

『あ、この先だからここで大丈夫、です』

「お、そうなん？めっちゃ駅から近いやん！」

『ありがとう、送ってくれて』

また明日、と言おうとしたら黒田くんは突然スマホを手にする。そのまま、私の方を見つめてから珍しく口篭る。

「あのー...さ、マジで、迷惑だったら言ってもらっていいんだけど」

『？』

「連絡先、教えてくんない？」

『......え?!私の?!』

「うん。また勉強教えてほしいし、漫画のオススメも教えてほしいし、交換しといた方が便利じゃね？」

『うんっ...！』

また少し、黒田くんとの距離が縮まったことに嬉しくなる。

スマホに表示される『黒田光輝』って名前がキラキラして見えるのは、きっと気のせいじゃないけど。

黒田くんは、住む世界が違う人。

私みたいな目立たない陰キャ、普段絡んでるタイプにいないから面白く思っているだけかもしれない、なんて思った。いつまでこんな風に話せる日が続くのか、そのうち飽きられちゃうのかなって思うと

......ちょっとだけ悲しくなった。

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