Episode : 043 ページ43
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手を差し伸べられた阿部の方は、あざとく首を傾げて「なに?」なんて聞き返す。だけど舘さんは、あくまで自分のペースで、ふふっと楽しそうに微笑んだ。
dt「__________......ありがとう。こんな機会を設けてくれて、って、言いたくて」
nb「はぁ?!涼太?!」
mm「なんすか?負け宣言っすか?」
fk「おめぇなぁ」
ab「ちょっとめめ!......どういう意味か、言ってもらっていいですか?」
煽ってくる目黒を制止した阿部は、舘さんと向き合う。舘さんは、ちょっと首を傾げてから「あぁ」と納得した声を出した。
dt「確かに、阿部が言った通り、学力も生徒会長には必要なことだと思ったから、今回の話には乗ったんだけど、やっていくうちに思ったんだ。
切磋琢磨してお互い刺激になって、結果的に全員の学力が上がるのはいいことだなって。誰かのために頑張る人も、自分のために頑張る人も、同じだからね。......ふふ、それに、しょうたがこんなに真面目に勉強してるのも初めて見たし、俺はそれで満足かなぁって。
...だから、阿部には、感謝したい。そう思ったから、ありがとう」
舘さんは、そう言って阿部を見つめる。それは、真っ直ぐな言葉で、皮肉もなにもなくて、すっげー深い言葉だと思った。恐ろしいのが、これきっと本人は本当に思っただけで発言しているということ。舘さんって、ホントそういうとこある。
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作者名:翠恋 | 作成日時:2021年10月24日 0時