レンタル彼氏《 in × ar 》

Episode : 23 ページ23

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最後のデート、って言うのもなんか変だけど、俺は最初と同じコースをお願いした。

いのちゃんが教えてくれたお店のオムライスを食べて、ふたりで一緒に映画を見た。今日は最近話題のミステリーを観たんだけど、ちょっとホラーみたいなシーンがあって。





『だいちゃん、めっちゃビビってたね？』


「わっ...悪い、かよっ...//」


『ううん。むしろ可愛い』






思わずいのちゃんの腕を掴んでしまって、こんなことを言われてしまった。

ううっ...映画のチョイス間違えたな...。

映画館を出ると、もう夕暮れが近づいていた。最初待ち合わせた場所へと戻るために、ふたりで他愛もない話をしながら歩いていく。






本当に、いのちゃんと過ごす時間は楽しくて、あっという間で。



このまま時が止まってしまえばいい、なんて、そんなことを思ってしまうんだ。








だけど、タイムリミットは案外呆気ない。









『だいちゃん、今日も楽しかったよ！ありがとう！』


「......こ、こちらこそっ...」






目の前には、時計台。

もうこれで、あなたの中から俺は消えてしまうんだ。




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