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ゆうとに言われた地下室というものを探すために一旦外に出た俺は、建物の周りをぐるっと回ってみた。
すると、1箇所だけ明らかに車の通りがある箇所を見つけて進んでみると大量のゴミ袋が積み上がる場所へと出た。どうやらここがゆうとの言っていた裏口らしい。
その先に行くと重そうな鉄の扉が片方だけ開け放たれていて、思わず息を飲んだ。そして、ゆっくり俺は足を踏み入れた。
息を潜めて階段を下りると、そこに広がる光景は、あまりにも悲惨な世界だった。
「__________なんだよ、これっ...!」
死体があるのかと思ってゾッとした。
アンドロイドたちが山のように積み上げられていて、それはまるで残骸。
必要となくなったアンドロイドたちが、廃棄処分となったアンドロイドたちが、行き場もなくここに捨てられている。
見た目は人間に近いから腕や頭のとれたものを見ると正直怖いけど、救いなのはそこから無数のコードや部品が見えているから安心できた。
その山をじっと見つめていて、気がついた。
山の1番上の方に埋もれている、ほかとは比べ物にならないほど綺麗な状態のアンドロイド。
健康的で綺麗な肌は薄く汚れていて
あんなに輝いていた髪も今はくすんでしまっている。
それでも。目の下の涙ボクロは変わらない。
ようやく見つけた、会いたくて話したくて仕方なかった。
__________俺には、お前が必要なんだ。
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桜の舞(プロフ) - ありがとうございます!関連……!楽しみすぎます!!こちらこそよろしくお願いします!頑張ってくださいね! (2017年5月13日 13時) (レス) id: 54730e75a3 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - 桜の舞さん» 桜の舞さま、コメントありがとうございます!続編、というかこちらの作品に関連したもの書いてみようかな、という予定はありますが、続編も検討したいと思います!これからもよろしくお願いします! (2017年5月13日 8時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
桜の舞(プロフ) - 完結おめでとうございます!!このお話、読んでいて凄く楽しかったです!私の大好物であるいのけとだったので、楽しく読まさせてもらいました!出来ればこの作品の続編とか読んでみたいな、と思うんですが、ダメでしょうか?これからも執筆頑張ってください! (2017年5月13日 7時) (レス) id: 54730e75a3 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - KOKOROさん» KOKOROさまコメントありがとうございます!いのけと、書いていて楽しかったのでまた書いて見たいと思います。これからもどうかよろしくお願いします! (2017年5月8日 1時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
KOKORO - すごくいいお話でした!またできたらいのけとのお話作って欲しいです!完結おめでとうございます! (2017年5月8日 1時) (レス) id: bdf21f538e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2017年4月13日 23時