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幕が開けると、そこには大勢の人、人、人。
そんな中俺の頭の中ではいのちゃんと過ごした高校生活が鮮明に駆け巡って、そのどれもが今の俺の緊張を解きほぐしていく
大丈夫、けいとならやれるよ
そう言ってくれているような気がした
『あぁ...私も舞踏会に行ってみたいわ』
ストーリーが進んでいくにつれて、より鮮明にいのちゃんとの思い出が頭の中を埋め尽くす
いよいよ舞踏会のシーンになって、王子様のいのちゃんの手を取った
鳴り響く優雅なメロディに合わせてステップを踏んでいたら、突然目の前が滲み出した
いけない、こんなところで...ストーリーはまだ残っているのに
俺の必死な想いには気づかないのか、目の前がどんどん滲んできてもうダメだ、と思った瞬間に鳴り響く鐘の音に救われた
『大変っ...もう、行かなくちゃ』
『ああっ...!待って、シンデレラ!』
足早に舞台から下りて、ガラスの靴の位置を振り返って確認した
その落とされた靴をいのちゃんがあんまりにも愛おしそうに、大事そうに拾ったせいだよきっと
「...けいと?大丈夫?」
「ん...へいき」
滲んでいた世界がクリアになったかと思えば、頬が濡れている感じがして触れてみたらその感覚は間違っていなかった
心配そうなちぃちゃん以外、ほかのみんなは反対側の袖にいるから気づかれていない
だから、最後までいつも通り強がっていなくちゃ、俺らしくないよね
「...よしっ!けいと、着替えるよ!」
「うん!よろしくちぃちゃん!」
ラストシーンに向けて、頬を叩いてもう1度気合いを入れ直した
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あかり(プロフ) - 翠恋さん» すごく嬉しいです!!!楽しみにしてます^^ (2018年1月22日 7時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - けーた。さん» けーた。さま、コメントありがとうございます!長い間応援して頂けましたこと深く感謝致します。またこんないのけとちゃんたちが書けたらいいな、と思ってます。楽しんで頂けたならなによりです。これからもどうぞよろしくお願いします (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - あかりさん» あかりさま、コメントありがとうございます。また、長い間応援して頂けましたこと、心より感謝致します。番外編、ぜひ書きたいです!←他の作品が落ち着いた頃新作として出させて頂きたいと思いますのでその時までよろしくお願いします! (2018年1月22日 6時) (レス) id: 232e0efe2c (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 完結おめでとうございます。…とは言いつつやはり少し寂しさも感じます;翠恋さんのお話でいのけと好きになった私なのでこちらのお話もとても楽しませて頂きました(*^^*)長い間の連載お疲れさまでした。これからも色々なお話を読ませて頂けるのを楽しみにしています* (2018年1月21日 16時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 完結してしまったぁぁぁぁぁ(泣)連載はじめの頃から読んでて、とても大好きなお話でした。感動のラストで、もうこのお話が読めなくなると思うと悲しいです…番外編で、大学生活とか、やってるふたりとか(言い方)、魅せてもらえたら嬉しいです (2018年1月20日 23時) (レス) id: 0083b728f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2016年12月2日 23時