ハニープードル【青】 (ページ31)

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とは、言ったものの……

『気になる…………！！』

中間さんが言ってた元カノの話を思い出す

もしかして、それが山本さん？

_「そいつのこと好きなんにさっさと告白せえへんからやん、」

そう言いながらジョッキのビールをぐいっと飲むのは、幼馴染のしげ。

『やってさ、なんて言うたらええかわからへんもん、今更』

仕事帰りたまたま駅で遭遇して、久々に飲むことになった

昔から私の恋愛相談にビシビシ真っ直ぐアドバイスをくれるしげは、かなり頼りになる

自分の恋愛には疎い人だけど。

赤「だれやっけ、その、山田さん？は男のこと好きなんやろ？」

『山本さんね……それもわからへんねん……』

赤「ただの元カノちゃうん？気になるなら聞けばええやん」

『無理！言いたくない話かもしれんやん』

赤「そん時はそっかごめん～て言えばええだけやん」

『………確かに』

赤「いらんことに悩んどらんと、思ったこと言えばええんちゃう？」

枝豆片手にビールを飲む、彼女いない歴もうすぐ3年の男の言葉だけど、正論だ

『…なんかスッキリしたかも。しげに言ってよかった』

赤「当たり前やろ、恋愛マスターしげちゃんやで」

『うそつけ、はよ結婚しろ』

そんな昔と変わらないやりとりをして時間は過ぎる。

終電ギリギリの時間に店を出て、街を歩いて駅に向かった

『あっ！しげ、あれ、あれ、』

赤「あ？」

少し離れたところに、藤井くんと山本さん

赤「あの男なん？えらい男前やなあ」

こんな時間に2人で、腕組んで、なにしてるんだろう

胸がざわつく。

私に気づくことなく、2人は人混みへと消えた

落ち込んだ私をしげは別れるまで不器用なりに励ましてくれた