初夏の枇杷に溺れて、

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外が暗くなってなんとなく散歩したくなり俺は外へ出た

朝はなんか……ほんとにAちゃんの声が聞きたくて電話した

今日はお店が休みと聞いて遊びに誘おうかと思ったけどやっぱりやめて、

でも誘っときゃよかったっていう葛藤も

岡崎の中でも繁華街に出ていくと香水臭い女の人がひしめき、その女の人達に声をかける男たち

「はぁ……………」

自然とため息がでる





しばらく歩いているとガタイのいい男に腕を掴まれている女の人がいた

『やめて…っ!!!』

「ねー、いいじゃん

そんな体のライン出る服着てさぁ、誘ってるでしょ、A」

なんで…Aちゃんの名前………………

考えるより先に俺は手が出ていた




「やめろよ、俺の女に触れんな」

「って…お前誰だよ」

「福尾亮、Aの彼氏だよ

この腕どうなってもいいの？

さっさと消えて」

『……………っ』

「チッ…」

舌打ちをしてその男は去っていった


俺の羽織っているパーカーをAちゃんに着させて手を引いて俺の家へと向かった






「上がって」

『お邪魔します』

スリッパを出してAちゃんをソファーに座らせる

コーヒーを入れて俺はAちゃんの隣に座った




「あの男………………」

『助けてくれて、ありがとう……

私の元彼なの。最初は優しかったのに…気に入らないことがあれば喚いて、暴力ふるって

逃げてきたけど…………どこで私の事見つけたのかな。あはは……………』

無理して笑っているAちゃん

「無理して笑わないでよ…………怖かったなら泣いていい

俺は…俺は………………………」

俺がAちゃんの目を見つめるとツゥ、と一筋の涙を流した

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