先生とろくでなし3 ページ8
｢A、酒持ってきたんだ、どうだ？｣
｢晋とどうぞ。お酒強いですよ、晋は｣
｢え、いやちょっとまっ……｣
笑顔でぴしゃりと言う先生は銀さんから見れば悪魔だっただろう。
｢新八……｣
｢僕未成年です｣
｢神楽……｣
｢未成年アル｣
晋さんはちょっと傷付いたような顔をした。銀さんにあからさまに避けられていると思ったらしかった。
｢俺とってのはそんなに嫌なのか｣
｢いやいや別に……｣
ぎくしゃくはしていたが、2人で呑み始めた。
僕達はそれを障子の影からそっと見ていた。なんの騒音もない田舎なので、2人の話し声がよく聞こえた。お酒が入ったことで銀さんも少しは素直になれたらしかった。
｢いい月だなァ｣
｢お前ホントそういうの好きだよな……｣
｢はぁ？｣
｢え、あ、いや……｣
2人はしばらく無言で呑んでいた。
｢不思議なもんだなァ｣
晋さんが不意に口を開いた。
｢テメェを初めて見たとき、何故かぶん殴りたくなっちまった｣
｢え？晋ちゃん？｣
｢だがテメェと呑むのがずっと夢だったような気もする｣
その言葉を聞いた銀さんが突然立ち上がった。
｢必ず……必ずお前を取り戻す｣
晋さんは訳が分からないと首を傾げた。
｢待ってろよ晋……いや、高杉晋助。勝ち逃げなんざ俺ァ許さねェからな｣
｢おい銀時、何言ってんだ、訳が分からねェよ｣
｢分からなくていい。お前じゃねェ、もう1人のお前に言ってんだ｣
そこまで言い終わって落ち着いたのか、再び銀さんは腰を下ろした。
そんな夜があってから、銀さんも度々晋さんの元を訪れるようになった。
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凛 - 早く続きが見たいです！ゆっくりでもいいので更新待ってます！ (2022年12月16日 19時) (
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月15日 16時
