先生と夢1 ページ4
万事屋が珍しく忙しくて、なかなか先生と晋君のところに行けなかったある時。ようやく暇を見つけてお菓子をもって先生の家を訪ねた。
すると三味線の音色が聞こえてきた。先生は風流な人ではあったけれど、三味線を弾くところは見たことがなかったので違和感を覚えた。それどころか変な予感がした。
予感は見事に的中した。縁側で三味線を爪弾いていたのは僕の知っているその人より一回りくらい若いその人だった。
｢ええと……晋さん？｣
もう君付けなんて出来そうもなかったのでとりあえずそう呼んでみると、彼はふっと笑って奥に向かって先生の名を呼んだ。
｢いらっしゃい、なかなか来てくれなくて、私も晋も寂しかったんですよ｣
｢俺ァ寂しいなんて一言も言ってねェぞ｣
｢おや、そうでしたか？ずうっと外眺めて、寂しそうでしたが｣
｢晋ちゃん急に大きくなりすぎアル……もうあの可愛い晋ちゃんは見れないアルか？｣
｢悪ィな神楽……年上だか年下だか分からねェ奴に可愛いなんざ言われるとはねェ｣
｢べ、別にいいネ。今の晋ちゃんは綺麗アル｣
完全に美青年となった晋さんに、神楽ちゃんはちよっとドキドキしているのか普段の辛口は出てこなかった。
晋さんは空気を読んでくれたのか散歩に行くと出て行った。
｢晋の中には彼の記憶が無意識の内に残っています。試しにまた子さんが三味線をあげてみたら、ろくに教えてもいないのに随分上手に弾くものですから驚きました｣
その音色を聞いたまた子さんは泣き出してしまい、言い訳するのが大変だったと先生は笑った。
｢でも煙管は身体に悪いからあげちゃダメアルヨ｣
｢神楽ちゃんは優しいですね｣
｢別に！今まで大変だったから今回は大人しくしててほしいだけアル｣
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凛 - 早く続きが見たいです！ゆっくりでもいいので更新待ってます！ (2022年12月16日 19時) (
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月15日 16時
