そんなヒラが好き (ページ7)

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おやすみ【フジヒラ】ページ7

ぎゅっと両手で握られた右手

肩にのしかかる頭を握られた手とは反対の手でそっと撫でると、額を肩にこすりつけられる

フジの家に実況を取るためにお邪魔している

カーペットに向かい合って座っている私とフジは、先ほどまでゲームをしていた

「フジ…」

雰囲気に押されたのか、自分でも少し驚くほど小さい声でフジを呼んだ

キヨはこんな雰囲気にならない

ほんわかして、落ち着くような

まったりとリラックスできる

こーすけともならない

お互いのこと、自分のようにわかる

程よく気遣いができて、できた喜びにいつも満ちた気持ちになる

「ヒラ」

あちらは、ぐずったような声を出す

少し掠れた、甘えたような声

フジは時々甘えてくる

けれど、こんな風には甘えてこない

疲れた、とこぼしたあと、お話をして、ゲームをする

それだけなのに

今はただ、私の片方の手を取って頭を撫でてもらいたい

そんな感じ

「ん、充電完了。ごめんね？疲れたでしょ」

眉を下げてそう言うフジ

「大丈夫だよ。フジの役に立てなら」

全然苦じゃない

微笑むと、安心したように微笑み返してくれる

「じゃ、実況撮ろっか」

気を取り直したように、いつものフジに戻る

そう、いつものフジじゃない

フジはね、一緒にいて楽しくて

よく遊ぶ、ほんとに親友みたいな感じなの

あんな雰囲気、いつもは出さない

これも彼の新しい甘え、と見ていいのかな