＊６５７＊ ページ12
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殴られた左の頬が熱くて
口の中に広がった血の味は、金臭くて
自分はとんでもない罪を犯してしまったんだって
罵声を浴びせる、鬼のような形相をした吉田さんを見て初めて気づいた。
見開かれたその目は怒りで血走って
その口元は、わなわなと震えて
頭の上で纏め上げられた両手を、ギリギリと抑え込まれる力に
もしかしたら、このまま絞め殺されてしまうかも知れない…って
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そう思ったら、何故か
頭の芯が、す…っと冷えてきて
目の前のこの
自分の思いどおりにならなければ、力づくで抑えこむ。
そこに在る相手の気持ちや、介在するものなんて関係ない。
だけど、そんなことをして手に入れたものに
一体どんな価値があるんだろう
あなたも、私も
ただ…、お互いを傷つけ合うことしかできないのに
それなのに、あなたは
今までも、これからも
ずっと…、こんなことを続けていくの……？
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「……あなたは、…・・歪んでる」
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気づけば、唇からそんな言葉が零れ落ちて
それを聞いた吉田さんの、私の両手を締め上げる力が一瞬緩んだ。
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「こんなの…っ、…ビジネスでも何でもない…」
「自分の権力を振りかざして、手玉に取って…
これはただ…っ、弱者に対する、・・冒涜、です…っ、」
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きっと、殴りでもすれば
私は驚き慄き、大人しくなるとでも思ったんだろう。
思いもよらない、私の暴言とも取れる言葉と
この状況に怯んだのは、……吉田さんの方だった。
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「たとえ、力づくでこんなことしたって…
私が彼を想う気持ちだけは、
…・・誰にも奪うことはできないのよ───……っ」
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私がそう叫ぶと
怒りに満ちていた、吉田さんの目は
急速に…光を失った。
そして、真っ暗なその瞳の奥に
一瞬だけ宿った、哀しみに染まった、
その色、は───……
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この
どこか、で───…？
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どこか既視感がある、その目に
一瞬気を取られた私が
その記憶を辿ろうとすると…
突然、顎を凄い力で掴まれて
吉田さんが、…ものすごい勢いで覆い被さってきた。
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まよ(プロフ) - ハルキさんご無沙汰です！久しぶりに開いて読みました！智くんとの再会後、いちゃこらみたい笑リアル智くんも元気かなぁ。ＧＷゆっくりしつつ楽しんでくださいね！ (5月3日 22時) (
レス) @page47 id: 2bb9158d15 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。智君に会えて嬉しいです。久しぶりにドキドキしてきゅんきゅんしてます。ハルキさんありがとう(^^)v (2022年9月29日 13時) (レス) @page47 id: 70f41ecff1 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 楽しみにお待ちしておりました(>_<)胸がぎゅーっと苦しくて…会えてよかったぁ！！！激重のイチャコラ楽しみにお待ちしてます！！ (2022年9月29日 6時) (レス) @page47 id: 6ed58a0011 (このIDを非表示/違反報告)
mikitiy(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。やっと、智くんにあえて。この時を待っていたっ。嬉しいです。続きがとても気になる〜。葛藤も色々な想いも乗り越えて幸せになってほしい。ドキドキしながら読みました。更新を待ってます。 (2022年9月28日 22時) (レス) id: 0a92ac1d6f (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - →待ち続けておりますので、これからも楽しみにしてます！ (2022年9月28日 19時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2019年9月25日 1時
