＊４７５＊ side O ページ23
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そのとき＿＿＿＿
ぼんやりと眺めていた、フルスモークの窓の端に
大切な何かを見つけた気がして
はっとして、シートから身体を起こして
慌ててそこに張り付いてみたけど
どんどん流れていく景色の中に、もうそれは見当たらなくて
掴みかけていたものが、あと一歩ですり抜けていったようで
見慣れた街並みを、焦りの中でただ見送った。
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…、気のせいか…？
縋るように覗き込んだ窓から離れてみたけど
背中に冷や汗を感じるほどの、身体中を駆けめぐる焦燥感と
尋常じゃないほどの速さで鼓動を打ち続ける心臓が
それが決して、気のせいなんかじゃないって
俺の中に、警笛を鳴らす
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頭の中で、誰かが俺を呼んでいる。
誰かが泣いている声が、聞こえる気がする。
すると、デジャブのように脳裏に甦るのは＿＿＿＿
Aが泣きじゃくっていた、あの日
俺たちが最後に触れあった、あの日
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“……行か、ないで…っ”
“…ゃ、だ、…智、っ”
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“…、行かないで…っ＿＿＿＿＿”
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また、俺は
同じ過ちを繰り返すのか…？
いつまで経っても乾ききらない、ふたり分の涙を
このまま見て見ぬフリして、やり過ごすのか…？
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そ…っと目を瞑って
瞼の裏に、Aの笑顔が思い浮かんだとき
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“───── 引き返せ”
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俺の、本能が
そう叫ぶのが、聞こえた気がした
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智「、っ止めてっ」
ﾏﾈ「え、えぇ？どうした、」
智「いいから！早く止めて！」
ﾏﾈ「そ、んな、急に言われたって、//」
智「どこでもいいから、早く止めろって！」
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突然俺に急かされて驚いたマネージャーは
戸惑いながらも、車を路肩に寄せる。
そこに何があるってわけでもないのに
俺の中には、確信にも似た想いが漲っていた。
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智「５分で戻るから！」
ﾏﾈ「え、ちょ、ちょっと大野さん！//」
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キャップだけを引っ掴んで
ひんやりと冷たい、外気の中に降り立つ。
まるでそこにある“何か”に続くように伸びる道を
じっと、見据えたら…
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後先のことなんて、考えられなかった
春の匂いが鼻先を掠める、夜の中
自分の本能だけを頼りに
俺はただ、無心に走り出した。
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ハルキ(プロフ) - ともさん» ともさん、初めまして(*´ω｀)♪この長いお話をはじめから読んでいただいたようで、ありがとうございます。長い上に暗いっていう…、何だかもう救いようがなくてスミマセン。次章からは少し違った展開が期待できると思うので、どうぞ最後までお付き合い下さい。 (2016年7月17日 0時) (
レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ハルキさん♪はじめまして。ともと申します。イッキに拝見させて頂きました(^o^;)ドラマを観ているようでドキドキはらはら…涙流しながら(>_<)二人の健気さに微笑ましく思ったり時にはイライラしたり…更新を楽しみに待ってます。 (2016年7月14日 8時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、いつもありがとうございます(*´ω｀)♪もうみなさんからのコメントもめっきり減るくらい、先の見えない暗〜い展開ですが(笑)、次章では少し光もみえてくる…かな？若いのに、千花ちゃんと裕太くんの方がよっぽどしっかりしてると思っているハルキでした(笑) (2016年7月9日 3時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
咲優(プロフ) - ハルキしゃん♪おひさしぶりーふ(笑)いや、そこ迷うとこチガウ！千花ちゃんはよ連絡してー！って叫んでもうた(笑)このお話ももう移行なのね(*´ω｀*)楽しみに待ってますね♪ (2016年7月8日 8時) (レス) id: 4728198315 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、先程アイスのコメントにレスさせていただきました！レスが遅くなり申し訳ないです(>_<) 本当にこちらのふたり、ここからどうやってハッピーエンドになっていくんでしょう…←お前がな 涙チョロリな展開ばかりですが、どうぞ信じて待っていてください！ (2016年6月19日 10時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年12月13日 0時
