布団一式 ページ10
その日の夜。
焦凍が布団を一式抱えて俺の部屋に来た。
「今日から一緒に寝る。床借りるぞ」
どう反応すればいいのかわからない。
冬姉の言葉を借りるなら「急にどした」だ。
「…理由聞いてもいいか？」
「車椅子の乗り降り、一人でやってるのをいつも見てた」
「……手伝ってくれる、ってことか」
「ああ」
確かに、俺と焦凍の部屋は隣で、居間に向かう時焦凍は絶対俺の部屋の前を通る。
そして俺の部屋は、万一のためにいつも少し開いている。
(子供の頃、車椅子に乗り移り損ねて落ちて、冬姉が来るまで動けずにいたことがあった)
「助かるけど…」
そこまでされると申し訳ないな、と顔を曇らせてしまう。
焦凍が床に布団を置いて、「それに、A___」と言葉を繋げる。
「夜中一人で、うなされてただろ」
「え」
「嫌な夢見たのか、怪我が痛んだのか知らねえけど……苦しそうな声が時々聞こえた」
足が動かなくなってから、今は頻度が減ったが、悪夢を見るようになった。
焦凍、気付いてたのか。
「気付いてたのに、行ってやれなかったから」
俺じゃダメだ、と思ってた。
そう言って焦凍が視線を下げる。
「Aのことも、お母さんのことも、もう見捨てたりしねえ……したくねえんだ」
焦凍が拳を握り締め、俺を見た。
「"怖かった"って言ってただろ。今更かもしれねえけど、俺は今からでもAを助けたい」
話してえこともいっぱいある、と焦凍は真剣な表情をしている。
……なんだ、焦凍____
昔とそう、変わってない。
"焦兄"だ。ここにいるのは、もう囚われきった"焦凍"じゃない。
優しい、俺の兄だ。
「……わかった。頼む」
そう言うと、焦凍はホッとしたような、少し緩んだ顔をして「ああ」と言った。
この時、俺は知らなかった。
というより、忘れていた。
_______焦凍の寝相の悪さを。
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千椛(プロフ) - ヒーロー名が2人でショートケーキになるの、なんか嬉しかったです！更新楽しみに待ってます！ (2022年2月20日 22時) (
レス) @page16 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - 夜空の流れ星?さん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです…完結せず新作出してて申し訳ないです。期待に添えるよう頑張りたいです！ありがとうございます！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
夜空の流れ星?(プロフ) - 新作品ですね！いつも影で見させてもらってます）(^_^;)頑張ってくださいね！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 654431c6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年4月20日 21時
