緑谷家の双子【MHA】 (ページ12)

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そのじゅうに。ページ12

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「46m」

ほら…やっぱり…

出久は無個性だ、なんて分かりきっていたことなのに、どこか期待してしまっていた。

…って、え⁉
相澤先生の…あのゴーグルは…‼

「『抹消ヒーローイレイザーヘッド‼!』」

メディアを嫌うアングラ系ヒーロー！
見ただけで人の”個性”を抹消する''個性”‼

イレイザーヘッド…相澤先生が出久に何かを言っているが遠くて聞こえないしそれどころじゃない。

どうして相澤先生が個性を使っているの⁉
出久は”無個性”だ。使う必要なんて、一切ない。何故。
どうして、どうして、どうして‼
…まさか、本当に個性が

「引織ちゃん、どうしたん?大丈夫?」

『あ…う、うん。大丈夫だよ。』

思考に集中し過ぎていたのか、お茶子ちゃんが心配そうに聞いてきた。
いつものようにヘラッと笑う。

「あ、緑谷くん、二回目投げるみたい‼」

『ん…本当だ‼1回目より伸びるといいけど…』

出久が一回目と同様に大きく振りかぶる。

そして、そのボールが手を離れる瞬間＿_

SMASH!!

大きな衝撃と共に、ボールが先ほどの比では無いぐらい、速く、遠くに飛んでいく。

ピピッ

相澤先生の手元の計測計に表示されているのは

「705.3m」

「やっとヒーローらしい記録出したよー」
「指が腫れ上がっているぞ。入試の件といい…おかしな個性だ…」
「スマートじゃないよね」

「『………‼!』」

あ、かっちゃんすごい顔してる。
怒りですごい顔してるのはよく見るけど、こんな間抜けなすごい顔は珍しい…

…って、出久…個性…？
駄目だ、急すぎて頭が動かない。
どういうこと…どうして…？

「どーいうことだこらワケを言えデクてめぇ‼」

「うわああ‼!」

かっちゃんがそう怒鳴りながら出久に襲いかかるも相澤先生に捕縛され、その動きを止められる。

「…チッ…おい、デク2号…どーいうことだこら」

『私だって…私が聞きたいよ…』

「チッ…役立たずが…」

本当に…どういうことなの？

ねぇ、教えてよ出久。

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