刹那の間【ヒロアカ】 (ページ4)

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「あのね、上鳴くん。ほんまにちがくて。このままだと誤解されたままになりそうだから私から言うんやけどね、上鳴くんと仲良くしたいんだよ、Aちゃんは」
「ぇぇえ！？お、お茶子なにいって…！？」
「だけどこの通り、いつもは普通なんやけどたまにちょっと緊張しちゃって、逆に冷たく接してしまうというか。と、とにかくもし嫌いなら勉強教えてないんよ。上鳴くんにわかりやすく教えるために、ノートも丁寧にとってて。そんで、またきれいに他のノートに書き写しててね」

　「やめて、やめて、」なんて泣きだしそうになっているAちゃんをよそに驚いたように目を丸くする上鳴くんは、「え、え、ちょ、(如月)、それ！」と慌てて近寄ってきて。「今、え、麗日が言ってたのってほんとうか？俺のために…」とたくさん話しかけられているけれど、この状況に全く頭がついていないのだろう。上鳴くんの呼び掛けに全く反応を返さず、ただその顔をボーッと見ていた。

「あ、え……！」
「なぁって、A？」
「あー、えっと、ごめん、Aちゃん、なんかキャパオーバーしたかもしれん。とりあえずそういうことなんで！とにかくノート見せてっていったら見せてくれると思うし、傾向とか対策とか、苦手そうなところを集中的にまとめてたんよ」
「お、おう！サンキューな！」
「んー、じゃあAちゃんのことよろしくね！私、そろそろ帰らんと」

　そう告げて教室を後にした。ぁあーかわいかった。初々しくてAちゃんっぽいなぁなんて少し顔がにやける。ついつい思い出し笑いしちゃう。いつも素直で優しいのにこういうときだけ、素直になれないところが本当に可愛いのだ。
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　あれから、やっぱりすぐには素直にはなれなかったらしく、今でも素っ気ない態度は続いているけれど、上鳴くんの方がAちゃんのあの様子はいわゆるツンデレというものだと納得をしたらしい。多少の嫌味や文句では物ともせず、何を言ってもニコニコ笑いながら対応するようになったのだとか。いや、上鳴くんはもともとこんなだった気もしなくはないけれど。
このまま彼女になっちゃえ。なんていうクラスの女子の言葉に「えっと…が、がんばる、多分…」なんて返答をしたことは、やはり彼女らしい答えで。
「大丈夫！何かあったらまた、サポートするから！」と笑顔で彼女にいった。